あらすじ 第28話 功名が辻 2006年 NHK 大河ドラマ

功名が辻 第28話 「出世脱落」 あらすじ

 織田政権の後継者たる地位を手中にした秀吉(柄本明)が論功行賞を行った。
 賤ヶ岳の七本槍と呼ばれる新世代は、三千石以上に加増。中村(田村淳)は二万石、堀尾(生瀬勝久)は一万七千石とそれぞれ城持ち大名に出世。しかし、命を賭けて秀吉を守り、忠臣まで失った一豊(上川隆也)は僅か三百石しか加えられなかった。秀吉の真意は、家臣たちの反応を試そうという一点にあるのだが、一豊の思いはそこまで至らない。『城勤めは辞める』と、一豊はふてくされて千代(仲間由紀恵)に告げる。
 その頃、家康(西田敏行)は秀吉につくか、それとも攻めるか考え抜いた末、天下とりは時を待ってからと、結論を出す。茶々(永作博美)は同郷の三成(中村橋之助)をそばに近づけ、早くも寧々(浅野ゆう子)を中心とする尾張派と対抗。
 千代は、一豊に対する不甲斐なさを感じつつも、一方で幾多の戦を踏み越えながら優しい心を失わない夫への愛しさも沸々と湧く。迷いを覚えた千代は、一豊の母、法秀尼(佐久間良子)に相談する。『出家する』とまで言い出した一豊を一喝した法秀尼は、『解脱したいならいっそ命を絶て』と迫る・・・。

あらすじ 第27話 功名が辻 2006年 NHK 大河ドラマ

功名が辻 第27話 「落城の母娘」 あらすじ

 一豊(上川隆也)の幼い頃から仕えてきた忠臣・吉兵衛(武田鉄矢)を失った山内家の陣には、淋しさと空虚さが広がっていた。そして千代(仲間由紀恵)の元にも、悲しい知らせが届く。
 同じ頃、秀吉(柄本明)の伊勢攻めを知った勝家(勝野洋)が出陣の決意を市(大地真央)に告げていた。穏やかな暮らしと夫婦の情を初めて知った市。『必ず生きてお戻り下さいませ……』。そして勝家軍が出陣。これを迎え撃つべく、秀吉は近江北部の賤ヶ岳に入る。両軍は各所に砦を築き、戦いは膠着状態へ。秀吉は石田三成(中村橋之助)の言をいれ、いったん大垣の織田信孝(飯沼誠司)を攻めると見せかけ勝家軍を誘いだす。三成や七本槍ら若い世代を重用し始めた秀吉に不満を覚える一豊。大垣から賤ヶ岳へ大返しを果たした秀吉に、勝家は北ノ庄へ敗走。秀吉はこれを追撃。市を救出しに城内へ入った一豊に市は三人の娘を託し、自らは勝家とともに自刃し果てる。城外の陣中、秀吉を睨み据える長女の茶々(永作博美)。その強い目に魅入られる秀吉。清洲へ入った茶々は千代を呼び出し、『秀吉の野望を打ち砕け』との市の最期の望みをかなえるのに手を貸せと言うのだった。

あらすじ 第26話 功名が辻 2006年 NHK 大河ドラマ

功名が辻 第26話 「功名の旗」 あらすじ

秀吉(柄本明)率いる軍勢に新たな戦が迫っていた。かつては織田家中で功を競い合った滝川一益攻めである。一豊(上川隆也)をはじめとする山内家や堀尾(生瀬勝久)家、中村(田村淳)家でも『大名になれるかの正念場』と準備に余念がない。そうした中、吉兵衛(武田鉄矢)ひとり元気がない。たき(細川ふみえ)が里に帰ったからだ。これは千代(仲間由紀恵)の知恵によるもので、主・一豊への強すぎる思いから、ひそかに芽生えた恋慕を押し殺している吉兵衛の背中を押すためだった。意を決し、たきを訪れた吉兵衛は『戦から戻ったら迎えに来る』と、ようやく口にする。
 一豊らは、一益を攻めるために伊勢へ出陣し、亀山城を取り囲む。手勢には久しぶりに老臣・新右衛門(前田吟)の姿もあった。しかし一豊の陣は不覚にも敵勢の突破を許し、秀吉の怒りを買う。たきのことで心に隙が生じた自分のせいだと吉兵衛。翌朝、山内家の旗を背に凄まじい気迫で城壁を登り、降り注ぐ矢や石弾をものともせず一番乗りを果たす。しかしそこは敵陣の真っ只中だった・・・。

あらすじ 第25話 功名が辻 2006年 NHK 大河ドラマ

功名が辻 第25話 「吉兵衛の恋」 あらすじ

千代(仲間由紀恵)は清洲城にいる市(大地真央)から呼び出しを受けた。市は、自分が嫁ぐ勝家(勝野洋)と秀吉(柄本明)とはいずれ大戦となる故、これが今生の別れとなろうという。市は岐阜城での婚儀の後、越前・北ノ庄へ入った。
 その頃、一豊(上川隆也)は、播州に賜った知行地に代官を置き、山崎に近い土地に屋敷を移した。備中高松、山崎での功により知行も三千石に加増、新たに雇った家来や女中たちの指南役は吉兵衛(武田鉄矢)。山内家の由緒について語る吉兵衛を見て、たき(細川ふみえ)という侍女が涙を流した。『亡くなった父を思い出して……』。吉兵衛は顔を赤くして『山内家の女子はお方様のように明るくなければならぬ』と叱る。
 信長の死から四か月後。秀吉(柄本明)は京の大徳寺で、盛大な葬儀を催すが、市も勝家も参列しなかった。秀吉は、勝家の養子の勝豊を寝返らせる等、着実に勝家側の勢力を削ぎにかかっていた。怒りに震える市は、家康と手を結ぶよう勝家に進言する。
 一方、山内家中には吉兵衛とたきが好き合っているという噂がたち、千代が吉兵衛に確かめたところ、『それがしのような戦場でいつ果てるとも知れぬ男は、たきのような若い女を嫁にはできぬ』と言う。吉兵衛の気持ちを知った千代は、二人を結ばせるため一計を案じるのだが……。

あらすじ 第24話 功名が辻 2006年 NHK 大河ドラマ

功名が辻 第24話 「蝶の夢」 あらすじ

山崎に三万五千の兵を率いた秀吉(柄本明)は、光秀(坂東三津五郎)の軍勢一万五千を圧倒。近江に逃れようとする光秀を一豊(上川隆也)が追跡。ついに、一豊は光秀に対することに・・・。しかし、藪に潜む名も無き者の槍が光秀の胴を貫く。
 『明智殿、何故ご謀反・・・・・・!』一豊が尋ねた時、『そなたは耐えよ。耐えて生き伸びよ・・・・・・』という言葉を一豊に残し、光秀は落命する。一豊は光秀の首を取らずに立去り、山中の寺に隠れていた千代(仲間由紀恵)や寧々(浅野ゆう子)を救出。長浜に戻った千代は、敗れた者の運命の悲惨さを知らされる。光秀の妻や娘たちは自刃。細川家に嫁いだ光秀の娘・玉(長谷川京子)は、城を追われ草深い味土野で幽閉されていた。
 日が流れ、清洲城に織田家遺臣が参集。信長の継嗣を決定するのが眼目である。柴田勝家(勝野洋)は信長の三男、信孝を推すが、秀吉は信長の嫡孫、まだ三歳の三法師を挙げる。光秀を討った秀吉の発言は重く、三法師の擁立が決定、秀吉は天下取りの急先鋒に浮上。三法師は秀吉の手に抱かれ、諸候はその姿に平伏した。実は千代の働きで三法師は秀吉にすっかりなついていたのだ。織田家を秀吉の好きにさせてはならぬ、市(大地真央)は勝家に再嫁し、織田を守ることを心に決めるのだった。

あらすじ 第23話 功名が辻 2006年 NHK 大河ドラマ

功名が辻 第23話 「本能寺」 あらすじ

千代(仲間由紀恵)は寧々(浅野ゆう子)に、『明智様にご謀反の気配』と六平太(香川照之)がもたらした知らせを伝えた。光秀(坂東三津五郎)軍はきっと安土、長浜へも攻めてくる。退却の指揮をとる覚悟を固めた寧々に、千代はつき従うこととした。光秀の謀叛。その時信長(舘ひろし)は寝所にいた。『是非もない』鼻先で笑った信長は鉄砲を手に寝所を出、応戦。光秀は、寺の中から逃れて来た女どもから、中に濃(和久井映見)がいると聞き愕然とする。信長の傍らで長刀を構え応戦しようとする濃は、信長の妻としての誇りを全うしようとしていた。攻め込んだ光秀の目前で、濃が一斉射撃を受け絶命。信長も寺の奥へ入り自害。燃え上がる炎の中に信長の命は飲み込まれた。長浜では寧々と千代が立ち退きの采配を振るっていた。清須の市(大地真央)に使者を出し、城下の者を清須へ逃がすこととし、自らは山中の寺へ身を隠す。一方、細川家へ嫁いだ光秀の娘・玉(長谷川京子)は、夫から謹慎を命じられる。そして、備中高松の秀吉(柄本明)は、京の変事を毛利へ知らせる使者を一豊(上川隆也)が捕らえ、信長の死を知る。全軍に帰還命令を発する秀吉。中国大返しの始まりである。『明智様のお気持ちもわからぬでもない』と言う一豊を吉兵衛(武田鉄矢)は『天下分け目の戦でこそ、ご功名を上げられよ』と叱咤する。山崎に対陣した秀吉軍と明智軍、決戦の時が近づく。

あらすじ 第22話 功名が辻 2006年 NHK 大河ドラマ

功名が辻 第22話 「光秀転落」 あらすじ

備中高松で水攻めの最中の秀吉(柄本明)軍にいる一豊(上川隆也)へ、千代(仲間由紀恵)は、毎日のように家中の出来事を文に綴り送った。
 一方、武田氏討伐の宿願をついに果たし得意の絶頂に立つ信長(舘ひろし)。『余がこの国の王である。朝廷にもわからせてやらねばなるまい』と言う信長を、光秀(坂東三津五郎)は、朝廷をないがしろにせぬよう必死に諫める。信長は、安土へ招く家康(西田敏行)の饗応役を光秀に命じる。
 その頃、光秀の妻・槇(烏丸せつこ)が千代のもとを訪れ、光秀の不眠に利く薬草でもないか尋ねる。胸騒ぎを覚える千代。一豊は秀吉から信長へ援軍を乞う使者として安土へ来ていた。家康接待の場に居合わせる一豊。席上、光秀は腐った魚を出したと信長から罵倒され、領地を召し上げられた上、秀吉の援軍として直ちに兵を出し奪った土地を領地とするという理不尽な命を受ける。光秀の目に絶望の光が揺れた。出陣前の光秀に『信長上洛、手勢はわずか・・・・・・』と囁く声が。声の主は六平太(香川照之)。その知らせどおり信長は本能寺に入った。濃(和久井映見)も同行、『殿がお気に召さずとも、濃は殿の妻でございます』、久方ぶりに夫婦の時を過ごす信長と濃。
 その頃、六平太は千代に、長浜を離れ逃げるよう告げていた。天下を揺るがす争いが、刻一刻と近づいていたのだった。

あらすじ 第21話 功名が辻 2006年 NHK 大河ドラマ

功名が辻 第21話 「開運の馬」 あらすじ

千代(仲間由紀恵)と一豊(上川隆也)は安土に屋敷を賜った。朝餉を前に、一豊はため息ばかりをついた。城下の馬市で見事な馬に一目惚れしたという。聞くと値段は黄金十枚。驚く千代。輿入れの時、不破の養父から託された鏡箱、その中身と同じ金額だ。
 その頃安土城では、専横を極め誰の言葉にも耳を傾けなくなった信長(舘ひろし)に、濃(和久井映見)が最後の諫言を試みていた。『わしは神じゃ、仏じゃ……』と吐き捨てる信長。濃は城を出た。城下の寺で光秀(坂東三津五郎)に『もし今一度生き直すことが出来るなら……』と言い募る濃。長浜に戻り鏡箱の十両を持ち帰る途中、千代が城下で濃と出会う。言葉を語らぬ濃を家へ招く千代。千代は一豊に十両を渡す。なぜこんな大金をと混乱する一豊は思わず声を荒らげる。『そなたはいつも高みに立ってわしを見下ろしておる……』。誤解を解こうとする千代。『千代も妻という役目でこの乱世をともに戦ってまいりとうございます』。その言葉を濃が聞きとめていた。一豊は黄金十枚で駿馬を買った。噂は信長の耳に届いた。夫婦を城に呼ぶ信長。『すべての財を馬に充て、戦を本分とすること天下に示した千代の軍略。この信長、感じ入ったぞ』。この後、京の町、帝の前で繰り広げられた馬揃えで一豊はさらに名を高め、中国攻めへと向かったのであった。
 本能寺の変の三か月前のことであった。

あらすじ 第20話 功名が辻 2006年 NHK 大河ドラマ

功名が辻 第20話 「迷うが人」 あらすじ

 謀反を起こした荒木村重(ベンガル)の説得に行った官兵衛(斎藤洋介)が連絡を絶った。寝返りを疑う信長(舘ひろし)は官兵衛の嫡男・松寿丸(高木優希)の殺害を秀吉(柄本明)に命じる。松寿丸は千代(仲間由紀恵)に託されていた。秀吉の命を受け一豊(上川隆也)は重い足を長浜へ向けた。やがて荒木は逃亡し主を失った城はついに落城。救出された官兵衛の変わり果てた姿に信長は絶句する。一豊は切腹覚悟で松寿丸が生きていることを信長に告げる。六平太(香川照之)からの情報で官兵衛が生きていることを知った千代が、松寿丸を隠したのだ。信長は、『早く官兵衛と会わせてやれ』と告げる。
 やがて二年間の兵糧攻めに耐えた三木城もついに開城する。城を出る者たちの中に、一豊は視力を失った小りん(長澤まさみ)を見つける。小りんは『卑怯者! 人が干上がるのを待つなんて』と叫んで姿を消す。武士とは何なのか、迷いを覚える一豊。一豊は家を訪ねてきた光秀(坂東三津五郎)に率直に心の迷いをぶつける。『迷いがないのは上様(信長)だけでござる』と光秀は答える。信長は突如、林通勝(苅谷俊介)と佐久間信盛(俵木藤汰)を追放する。『思い迷う者へのいたわりも必要では』という濃(和久井映見)の諫言にも、もはや信長は聞く耳をもたなかった。

あらすじ 第19話 功名が辻 2006年 NHK 大河ドラマ

功名が辻 第19話 「天魔信長」 あらすじ

 一豊(上川隆也)ら秀吉(柄本明)軍は播磨にいた。『織田を裏切れ』と毛利と通じる忍者・六平太(香川照之)が一豊にささやく。『奉公は鈍なるが幸せ』という千代(仲間由紀恵)の言葉を思い起こした一豊は、侍奉公の身にとって主家を比較するは無用と拒絶。六平太は、織田は内から崩れると言い残し去る。その頃千代は2歳になる一人娘よねを、平穏に生きてほしいと祈りながら慈しみ育てていた。
 一方、安土城を築城中の信長(舘ひろし)は光秀(坂東三津五郎)に、光秀の娘・玉(長谷川京子)と細川忠興(猪野学)の婚儀を命じると、高々と声を張った。『民は、天主に住まう余を畏敬し、謀反を起こす者もいなくなろう』。その眼に宿る狂気に光秀はりつ然。濃(和久井映見)の心はますます光秀に傾いていく。そのことに気づく市(大地真央)。
 六平太の予見通り、摂津の荒木村重(ベンガル)が毛利に寝返り、播磨の秀吉軍は西の毛利、東の荒木に挟撃され、窮地に陥る。秀吉の陣中では、半兵衛(筒井道隆)が死の床についていた。その身を案じ千代が送った書状を、一豊は半兵衛の枕元で読み聞かせる・・・。

あらすじ 第18話 功名が辻 2006年 NHK 大河ドラマ

功名が辻 第18話 「秀吉謀反」 あらすじ

無断で北国の戦線を離脱した秀吉(柄本明)に信長(舘ひろし)は激怒し、蟄居(ちっきょ)を厳命する。速やかに信長の勘気を解かねば謀反と疑われ、一豊(上川隆也)ら家臣まで成敗されかねない。万が一を案じた千代(仲間由紀恵)は一人娘 よねを法秀尼(佐久間良子)に委ねる。寧々(浅野ゆう子)も自刃を覚悟するなか、当の秀吉は日毎、猿楽や酒宴に興じる。“ここまで遊べば戦支度も出来ぬと知れよう”—それは、信長に対する謀反の意思がないことを明らかにするために、半兵衛(筒井道隆)が秀吉に授けた策であった。そうと知った千代は自ら滑稽に踊り、秀吉家中の気勢を上げようとする。
 その頃、大和・信貴山城にて松永弾正(品川徹)が信長に反旗を翻す。六平太(香川照之)の知らせでこれを知った一豊は秀吉に言上し、秀吉は直ちに信長のいる安土城に向かう。話を聞いた信長は直ちに秀吉の蟄居を解き、大和行きを命じる。一豊は、弾正に降伏を説くが、説得は失敗に終わる。城に攻め込む織田軍を後目に、弾正は城内に爆弾を仕掛けるのだった。
 これを受け信長は、秀吉に中国討伐を、光秀(坂東三津五郎)に丹波攻めを命じる。秀吉が播磨の大部分を平定する中、三木城主の別所長治が毛利方に寝返る。相次ぐ謀反に六平太は、一豊に驚くべき言葉を告げる・・・。

あらすじ 第17話 功名が辻 2006年 NHK 大河ドラマ

功名が辻 第17話 「新しきいのち」 あらすじ

身重の千代(仲間由紀恵)の元には法秀尼(佐久間良子)やきぬ(多岐川裕美)が訪ねてきては世話を焼いてゆく。この間一豊(上川隆也)は転戦につぐ転戦、また信長(舘ひろし)の命により安土城の普請に駆り出され、帰宅もできない日々だ。千代は無事に娘を出産。この乱世で平凡に生きられる以上の幸せはないと、よねという名をつけた。一豊が長浜に戻ったのは一年後のこと。喜ぶ一豊だが、よねに怖がられる始末。
 その頃、濃(和久井映見)は信長が変わったと感じていた。『傷の痛みがわからぬ者に民の心はついてこない』そう語る濃は光秀(坂東三津五郎)を熱い眼差しで見つめる。千代が光秀の娘・玉(のちのガラシャ・長谷川京子)と出会うのもこの頃のこと。秀吉(柄本明)の命のまま、旭(松本明子)と副田(野口五郎)の婚儀が成立。その副田が千代を訪ね、旭は何もしゃべらず抜け殻のように心を閉じているという。千代は旭に『赤子のように泣き、怒り、すべてを吐き出せば明日を生きる力が湧いてくる……』と語りかける。上杉勢迎撃のため北陸に到着した秀吉は、直ちに長浜へ引き上げた。そこには、秀吉なりの考えがあった…。

あらすじ 第16話 功名が辻 2006年 NHK 大河ドラマ

功名が辻 第16話 「長篠の悲劇」 あらすじ

 無敵と呼ばれる武田軍が長篠城への攻撃を開始。守る徳川軍は援軍を求めるが、信長(舘ひろし)は動かない。長大な馬防ぎの柵を作ろうという信長の秘策を知った秀吉(柄本明)は、旭(松本明子)の夫で長浜一の大工、源助(小林正寛)を呼び出すよう一豊(上川隆也)に命じる。真っ向から反対したのは千代(仲間由紀恵)。なぜなら、戦場には出ない約束で城に入ってもらったからだ。『戦ではない、柵造りじゃ』。命に危険はないと強調する一豊に、話が違うと旭が言うが、おらも男だ、と源助は立ち上がる。五月半ば、岐阜を出た織田軍は徳川勢と合流し、設楽原に陣を敷いた。信長は、鉄砲が使えるようになる梅雨明けを待っていたのだ。馬防柵の奥に並んだ三隊、三千挺の鉄砲隊から絶え間なく放たれる弾丸は、武田騎馬隊を粉砕した。数日後、秀吉軍は長浜城に凱旋。しかし源助の姿はない。馬防柵を作り終えた源助は、柵がどう使われるか見たくて長篠に戻り──。
 約束を違えた一豊は切腹をもって旭に詫びようとし、千代もまた自刃しようと懐刀を取り出す。秀吉は旭の新たな夫として副田(野口五郎)なる人物を選び出す。ほどなくして、美濃の市之丞(津川雅彦)危篤の知らせが──。

あらすじ 第15話 功名が辻 2006年 NHK 大河ドラマ

功名が辻 第15話 「妻対女」 あらすじ

一豊(上川隆也)の父の時代から仕えてくれた忠臣、新右衛門(前田吟)が一豊に隠居を申し入れた。嫡男の新一郎(浜田学)に家督を譲りたいと言うのだ。千代(仲間由紀恵)の計らいで新右衛門は相談相手として山内家に残ることとなる。その頃、山内家に食客として入り込んだ男がいた。身上は浅井の牢人で鉄砲の名手。それは、甲賀の忍び、六平太(香川照之)である。千代と一豊はそれぞれが六平太と浅からぬ縁を持っていたことに驚く。そして六平太には、とんでもない同行者がいた。千代に自分の女房だと紹介した女こそ、一豊が京で一夜を過ごした小りん(長澤まさみ)だった。肝をつぶした一豊は吉兵衛(武田鉄矢)、新右衛門に相談を持ちかけるが埒(らち)が明かない。その小りんの真意はやがて明らかになった。千代は武門に嫁ぎながら子ができぬことで苦しんでいる。その悩みをあざ笑うように、小りんは一豊に迫ったのだ。『あんたが好き。だから山内家の世継ぎも産んであげる』『戯れ言を申すな! わしがほしいのは千代の子じゃ』。小りんの甘い息から、一豊は必死で逃れた。その夜、寝所に入った一豊を待っていたのは、正座して襟を正した千代の姿だった・・・。

あらすじ 第14話 功名が辻 2006年 NHK 大河ドラマ

功名が辻 第14話 「一番出世」 あらすじ

北近江を得た秀吉(柄本明)は今浜を長浜と改め、新城の築造を始める。一豊(上川隆也)の知行は四百石。堀尾(生瀬勝久)と中村(田村淳)は百五十石。この差が一豊には悩みの種だ。出会えば会釈する二人に言いようのない距離と寂しさを感じるのだ。千代(仲間由紀恵)は、寧々(浅野ゆう子)から城に呼ばれ、秀吉の度を過ぎた女好きに対する痛罵を聞かされる。
 ある日、千代は城で畑仕事をする老婆と知り合う。正体は秀吉の実母・なか(菅井きん)。千代は寧々の苦悩を告げる。秀吉が実母に叱られるところを見れば、寧々の気鬱も散じるだろうと思ったのだ。この頃秀吉は家中を固めるため身内を近くに置きたいと思っていたが、妹の旭(松本明子)と夫の源助(小林正寛)が聞き入れない。説得を命じられ千代と一豊は旭たちの住む小屋を訪れ、説得を試みるが、旭は城に行くのはいやだと頑固一点張り。
 しかし当の源助が、刀は持てんが建物の作事なら得意、自分に合った仕事でお役にたてればと言い出す。行きたくないと泣きじゃくる旭に一豊は、戦場には出ずにすむよう殿にお聞き届けいただく、と約束をする。数日後、山内家には千代が機転をきかせて湯浴みに呼んだ堀尾と妻・いと(三原じゅん子)の姿があった。

あらすじ 第13話 功名が辻 2006年 NHK 大河ドラマ

功名が辻 第13話 「小谷落城」 あらすじ

信長(舘ひろし)軍による小谷城総攻撃の時が迫っていた。小谷城にいる信長の妹・市(大地真央)の身を案じる千代(仲間由紀恵)。いよいよ秀吉(柄本明)軍を先陣として攻撃が開始された。秀吉とともに城へ入った一豊(上川隆也)は市と対面。『千代はあなた様のお帰りをお待ちしております』と言う一豊だったが、市はすでに夫の長政(榎木孝明)とともに城で果てる覚悟でいた。その市を翻意させたのは、長政の嫡男・万福丸の助命を約束した秀吉であった。秀吉が市と子供たちを城から出すと織田軍は総攻撃を開始、長政は自刃。信長は万福丸の磔刑を命じ、秀吉はその役に一豊を任じる。抗議する一豊だったが刑は実行された。千代に万福丸のことを問われた一豊は、万福丸を磔にかけ自ら号令をかけたことを告白する。信長の命により城へ上がった千代は市に手縫いの打掛を献上。市はすでに万福丸がこの世に無いことを察していた。平伏して詫びる千代に、市は言う。『秀吉を信じた私が愚かであった……』。秀吉は軍功により、小谷城と北近江十二万石を下賜され、姓を羽柴と改めた。そして、一豊は北近江唐国四百石に加増となる。

あらすじ 第12話 功名が辻 2006年 NHK 大河ドラマ

功名が辻 第12話 「信玄の影」 あらすじ

浅井を押えるため、横山城に置かれていた一豊(上川隆也)ら秀吉(柄本明)軍の滞陣は長期に及んだ。秀吉は敵の大物豪族を調略し状況を打開せんと甥の治兵衛(柴井伶太)を人質に出すことに。千代(仲間由紀恵)の薫陶を受けていた治兵衛が旅立つ日、『世の流れ、人の定めに負けず、しっかりと生きのびるのですよ』と千代は語りかける。信長(舘ひろし)はこの時、かつてない窮地にあった。半兵衛(筒井道隆)は『今、甲斐の武田信玄が兵を挙げれば信長はひとたまりもない』と一豊に語る。
 そして、信長が誰よりも恐れる信玄が上洛に向けて動き出し『我が運は尽きたか』とつぶやく信長──。
 信玄が三方ヶ原に家康を打ち破るや騒然となる岐阜城下。『この城下が火に包まれるのを見たくない』という千代に、『女も戦う決意を』と言う寧々(浅野ゆう子)。
 一豊の前に敵の間者・六平太(香川照之)が現れ、一豊に自分と手を結ばないかと誘うが『日輪の下で堂々と功名を立てる男でないと立身はできぬ。女房殿がそう言った』と断る。
 一方、将軍義昭(三谷幸喜)も光秀(坂東三津五郎)の制止を聞かず信長に対し挙兵。その時、信長の陣に信玄死去の報が届く。信長は義昭を都から追放処分とし、室町幕府は歴史に幕を閉じ、いよいよ浅井を落とす時が来た。

あらすじ 第11話 功名が辻 2006年 NHK 大河ドラマ

功名が辻 第11話 「仏法の敵」 あらすじ

姉川の戦いで脚を負傷した一豊(上川隆也)は、小りん(長澤まさみ)に助けられたことを千代(仲間由紀恵)に明かし、『やましいことは何もない』と話す。一豊の言葉を信じると答えた千代だが、『側女にしたい女子ができたら告げてほしい』とも言う。そんな千代に一豊は、『わしは千代がいればいいのだ』と話す。
 数日後、一豊は秀吉(柄本明)軍と、浅井の動きを監視すべく近江横山城に向かう。諸侯の動きは急を告げていた。三好三人衆が摂津で挙兵すると石山本願寺がこれに呼応。さらに北から押し出した浅井・朝倉は比叡山に上り、方々の峰に陣を張った。信長(舘ひろし)は延暦寺に、敵方の追放あるいは中立を申し入れる。しかし返事はなく、信長は比叡山の麓を包囲。武田の脅威もあり、信長は完全な窮地に陥る。
 一方、岐阜では千代が寧々(浅野ゆう子)に頼まれ、秀吉の姉の子、治兵衛(柴井伶太)に読み書きを教えていた。人質要員とされたこの子こそ、のちの豊臣秀次であった。
 冬、信長が動きを見せた。雪で兵糧が断たれれば北国勢は不利と、将軍義昭(三谷幸喜)に和睦の仲介を持ちかけたのだ。和睦は成ったが、翌元亀二年、信長の怒りが爆発。比叡山を攻めよと家臣に命じる。ただ一人、光秀(坂東三津五郎)は信長に反論するのだが・・・。

あらすじ 第10話 功名が辻 2006年 NHK 大河ドラマ

功名が辻 第10話 「戦場に消えた夫」 あらすじ

 『誓いを破った。すまぬ!』一豊(上川隆也)の話を聞き、千代(仲間由紀恵)は号泣。寧々(浅野ゆう子)に相談するが、命があっただけでも有り難い、と反応は素っ気ない。加増の喜びを語り合うどころか、夫婦の会話は消え、気まずさだけが募る。思い余って美濃の不破家に戻った千代を養父の市之丞(津川雅彦)は一喝する。
 その時、陣ぶれのほら貝が鳴り、養母のきぬ(多岐川裕美)は、すぐに戻れと千代を諭す。後に憂いを残させてはならないと馬を飛ばす千代。
 しかし出陣には間に合わず、いつも夫の手に結ぶお守りの布を巻くことも出来ない。悪い予感が起こり、それは的中。姉川で、浅井・朝倉軍との戦いに挑んだ一豊が、味方は勝利したものの、戦場で姿を消したというのだ。川辺に落ちていたと差し出された布を見て千代は蒼白になる。出陣の時、結べなかった布だ。家を出たことを悔い、涙がかれるまで泣いた千代は、夫を弔い、出家することを覚悟する。
 激しい雨の夜、自分を呼ぶ遠い声がする。雨の中に飛び出した千代は、槍を杖に足を引きずって歩く武者の姿を見つける。

あらすじ 第9話 功名が辻 2006年 NHK 大河ドラマ

功名が辻 第9話 「初めての浮気」 あらすじ

多くの兵を失いながら、秀吉(柄本明)と家臣たちは見事にしんがりの役目を果たし、京に戻った。戸板に乗せて運ばれ、必死で苦境を乗り越えた一豊(上川隆也)は、軍功を認められ二百石に加増。吉兵衛(武田鉄矢)、新右衛門(前田吟)たちと、寺の境内に建てられた宿舎代わりの小屋に入り、傷が癒えるのを待った。
 一方、千代(仲間由紀恵)は、六平太(香川照之)から夫の負傷と悲惨な軍務について知らされ衝撃を受ける。ひたすら無事を祈る千代の思いをよそに、一豊は全く別の危機にさらされていた。寺に人探しに来たという若い女、小りん(長澤まさみ)が二晩続けて一豊たちの小屋に逗留。山内家に世継ぎをと願う吉兵衛たちは、小りんと一豊を添い寝させる策に出たのだ。誘惑に抗しきれず、小りんを抱いてしまう一豊。気を許し、問われるままに、織田軍が峠道を経て岐阜に向かうことを明かす。小りんは六平太の差し向けた甲賀の忍び。それと気づいた時には出立の刻限が迫っていた。帰路、峠道で銃弾が信長(舘ひろし)の羽織の袖を射抜く。あれは脅しじゃ、と看破する信長。ほっとし、帰宅した一豊だが、気がかりなのは京の一夜。嘘をついていることに耐えきれず、一豊は……。

あらすじ 第8話 功名が辻 2006年 NHK 大河ドラマ

功名が辻 第8話 「命懸けの功名」 あらすじ

一豊(上川隆也)たちが京に滞在して一年を数える頃、信長(舘ひろし)の敵対勢力と結ぼうとする将軍義昭(三谷幸喜)の策略が発覚した。信長は越前の朝倉氏攻めを決意。家中は動揺する。浅井家と同盟関係にある朝倉は攻めない旨、市(大地真央)が輿入れする際に誓詞を交わしていたのだ。『長政は裏切らぬ』。信長は徳川家康(西田敏行)の援軍と合流。朝倉の支城・金ヶ崎城に攻め寄せる。朝倉は降参し、あっさりと開城するが、敵兵が退散する時、両軍の間で戦いが勃発。一豊は敵方の勇将・三段崎勘右衛門(岡田正典)と死闘を演じ、頬を矢で射抜かれる深手を負いながらも首を挙げる。吉兵衛(武田鉄矢)に命じて自らの顔を踏ませ、矢を抜かせるや、一豊は昏倒。織田軍の快進撃がそのまま続くかと思われた矢先、信長の元に、小豆を入れ、両端を縛った袋が市から届けられる。袋の鼠(ねずみ)…。浅井長政(榎木孝明)が朝倉側に付いて出陣する。市がそう知らせて来たのだ。前後から挟撃されると勝ち目はない。信長は直ちに兵を引き返すことを決める。しんがりを引き受けたのは秀吉。敵を引き付けて時間稼ぎをする、全滅覚悟の任務だ。参加を願い出た一豊を『我らが軍神ぞ!』と讃える秀吉(柄本明)。一豊たちは決死の行軍に身を投じる。

あらすじ 第7話 功名が辻 2006年 NHK 大河ドラマ

功名が辻 第7話 「妻の覚悟」 あらすじ

織田軍は南近江の六角氏を攻めていた。しかしある日、信長(舘ひろし)は、一豊(上川隆也)や秀吉(柄本明)らわずかな供のみを連れて、市(大地真央)の嫁ぎ先、小谷城に浅井長政(榎木孝明)を訪ね、大胆にも一夜を過ごす。『信長暗殺の企みあり』。一豊に告げたのは六平太(香川照之)。事実、この機に乗じて信長を亡き者にするべしとの声が城では上がっていたが、義兄の信長を裏切ることはできないとする長政によって陰謀は食い止められる。間を置かず、織田軍は六角氏を平らげて上洛。征夷大将軍に任ぜられた足利義昭(三谷幸喜)は信長を父と呼び、副将軍か管領となるよう申し入れるが、将軍の下に入る気のない信長はこれを拒否。畿内を平定したのち、岐阜へ帰陣する。一豊たちを待っていたはずの山内家は、悲しみに包まれていた。新右衛門(前田吟)の妻、ふね(熊谷真実)が流産し、そのまま急死したのだ。自分を強く責め、戦場の夫には知らせてくれるなと、ふねが言い残していたことを涙ながらに語る千代(仲間由紀恵)だが、それが侍の妻として持つべき覚悟であることも同時に思い知らされていた。翌年春、再び上洛した信長は、将軍御所を建て、京都奉行の一人に秀吉を任命。与力である一豊も、京に留まることを余儀なくされる。

あらすじ 第6話 功名が辻 2006年 NHK 大河ドラマ

功名が辻 第6回 「山内家旗揚げ」 あらすじ

浅井家に輿入れした市(大地真央)を案じる千代(仲間由紀恵)だが、より現実的な心配事が持ち上がる。新右衛門(前田吟)の妻と七人の子供たちが山内家で暮らすことになり、台所は火の車に。わずか五十石の禄高でどうやりくりするつもりかと迫る吉兵衛(武田鉄矢)。千代は自分の食事を抜くことで当面の難を切り抜けようとする。
 一方、稲葉山城改め岐阜城では、足利義昭(三谷幸喜)の任を帯びた明智光秀(坂東三津五郎)が信長(舘ひろし)の元を訪れていた。義昭の権威を借り、京に上ろうとする信長。足利幕府の再興を願う光秀。価値観の違う二人は出会いから噛み合わない。光秀が登城したことを千代に聞かせようと帰宅する一豊。見つけたのは、空腹のあまり倒れた妻の姿だった。家臣を大切に思う千代に心打たれた一豊(上川隆也)は、山に入って、猪を仕留めて鍋にし、千代、家臣とその家族たちにふるまう。
 迎えた永禄11年(1568)7月、信長は義昭を岐阜に迎え、上洛の準備は万全となる。出陣の朝、千代は、ひそかに用意しておいた旗指物を差し出す。縫い込まれているのは丸三葉柏紋。山内家の紋だ。『旦那様、お家再興の御旗でございまする』『参るぞ!』。一豊と家臣たちは、六万に上る織田軍の一員となり、京めざして出立した。

あらすじ 第5話 功名が辻 2006年 NHK 大河ドラマ

功名が辻 第5話 「新妻の誓い」 あらすじ

晴れて夫婦となった千代(仲間由紀恵)と一豊(上川隆也)は、これまでの空白を埋めようとするかのように二人きりの会話に没頭する。一豊から『一国一城の主になる』という夢を聞かされた千代は、同じ夢を追い、夫婦ともに歩む誓いを胸に刻む。その頃、天下布武の印を掲げ上洛の意気上がる信長(舘ひろし)は、秀吉(柄本明)の助言を入れ、近江・浅井氏の調略を考えていた。その手段となったのが実妹の市(大地真央)。信長のため、市は自ら浅井家との縁組みを申し出る。その市の突然の訪問を受け、驚く千代。命じられるまま、近江について懸命に話す。帰りがけ、市は、寧々(浅野ゆう子)に頼まれて千代が縫い上げていた小袖に目を止め、そのまま持ち帰ってしまう。
 数日後、その小袖を着て山内家を再訪した市は千代を馬駆けに誘う。他人の知らない信長の優しさ、未知の相手に嫁ぐ不安を語る市を千代は力づけようとする。夫婦となるべき相手を決められない市はふびんだと一豊。しかし千代は、市によって戦が止められ、多くの命が救われる、それは戦に出るのと同じくらい大切なことではないのかと一豊に訴えるのだった。

あらすじ 第4話 功名が辻 2006年 NHK 大河ドラマ

功名が辻 第4話 「炎の中の抱擁」 あらすじ

竹中半兵衛(筒井道隆)の庵で互いの胸の内を語り合う千代(仲間由紀恵)と一豊(上川隆也)。互いに思い合う気持ちを確かめるが、敵味方に分かれてしまった二人に思いをとげる手立てがあろうはずもなく、運命とあきらめ、後ろ髪を引かれながら別れるより他なかった。ところが半兵衛はなぜか信長方につく事を決意、信長(舘ひろし)から、秀吉(柄本明)の配下として認められる。秀吉による美濃方の武将の調略も進み、いよいよ美濃の主城・稲葉山城を攻略せんとする信長軍。千代は養父・市之丞(津川雅彦)らとともに稲葉山城にろう城する。信長方では、城に攻め入れば女子どもも皆殺しにせよとの命令に、一豊は千代を思い、やりきれなさを感じていた。難攻不落の稲葉山城は容易に落ちず、焦る信長に半兵衛は、少人数なら城へ登れる小道があると手立てを示す。そして半兵衛は、一豊に、真っ先に城へ入り、千代を救えとささやくのだった。城内へ踊り込み千代を探す一豊。そして、自刃せんとする養父・市之丞を織田兵から守る長刀姿の千代を見つけ、間一髪でその命を救う。稲葉山城陥落後、城下の一豊の家に、母・法秀尼(佐久間良子)、弟・康豊(玉木宏)らが集まってくる。そして花嫁姿の千代も到着。千代・一豊の祝言がとり行われるのであった。

あらすじ 第3話 功名が辻 2006年 NHK 大河ドラマ

功名が辻 第3話 「運命の再会」 あらすじ

千代(仲間由紀恵)の元に幼なじみの六平太(香川照之)が現れる。千代を守るために来たという。故郷の村を焼かれた時、六平太は千代と生き別れになり、甲賀に流れ、そこで忍びとなっていたのだった。千代は『尾張にいる山内一豊様が無事かどうか調べてほしい』と六平太に頼む。藤吉郎(柄本明)は信長(舘ひろし)に対し、美濃攻略のために墨俣に砦を築き、そこを拠点として美濃の武将を調略すべきだと献策する。藤吉郎は見事に砦を築き、信長から秀吉という名を与えられる。その片腕となっていた一豊は織田家の配下・秀吉付きの武将として正式に認められる。
 ある日、藤吉郎は一豊を従えて美濃の竹中半兵衛(筒井道隆)を訪れ、信長につけと調略を試みる。半兵衛は、美濃を裏切るつもりはないと拒否するが、一豊は、そこで美しく成長した千代と再会を果たすことが出来たのだった。
 しかし、敵味方となり分かれてしまった運命の前にふたりは、親しく語り合う暇もなく、ただ見つめ合うだけであった。一豊はその日以来、千代のことが気になって仕方ない。様子のおかしい一豊に、家来の五藤吉兵衛(武田鉄矢)・祖父江新右衛門(前田吟)らも心配しきり。藤吉郎は半兵衛の調略を何度も試みるが、半兵衛の意志は固い。しかし、ある日半兵衛から、一豊を連れて来てくれとの書状が藤吉郎に届く。半兵衛の庵を訪ねると待っていたのは──。

あらすじ 第2話 功名が辻 2006年 NHK 大河ドラマ

功名が辻 第2話 「決別の河」 あらすじ

一豊(上川隆也)は藤吉郎(柄本明)から槍の腕を見込まれ、信長に正式に仕官するまでの間、自分の側にいて身を守ってくれと頼まれる。一豊は、母・法秀尼(佐久間良子)を訪ね、信長に仕官する許しを得ようとするが、そこで千代(子役・永井杏)と再会する。千代は法秀尼を母のように慕い、法秀尼も千代と暮らすことを心の慰めとしていたのであった。千代は、亡き実母の縁を頼ってすぐにでも美濃へ出立するつもりだという。美濃は、信長が次に攻めるところ。危険だから行くなという一豊の言葉を千代は聞こうとしない。藤吉郎から明日にでも信長が美濃攻めに出るであろうと聞いた一豊は、千代の身を案じ、急ぎ、尾張と美濃の国境へと向かう。折しも千代は、河を渡り美濃へ入ろうとしていた。行くなと叫ぶ一豊に千代は言う。『亡きかか様が言いました。美濃の人間になれと』しかたなく一豊は千代を見送る。千代は死んだ母の姉の嫁ぎ先、美濃の不破市之丞(津川雅彦)の家を訪ねた。信長の美濃攻めが始まり、戦は美濃の智将・竹中半兵衛(筒井道隆)と藤吉郎の知恵比べの様相を呈してゆく。この戦さの中で藤吉郎は頭角を現し、寧々と祝言を挙げる。市之丞の元で美しい娘へと育った千代(仲間由紀恵)は、ある日半兵衛から墨俣への遠乗りに誘われる。そこは、美濃と尾張の戦にとって要害の地。奇しくも、幼い千代が尾張から美濃へと渡ってきた川があるところであった。千代は、河向こうの尾張側に一豊の姿を発見する——。

あらすじ 第1話 功名が辻 2006年 NHK 大河ドラマ

功名が辻 第1話 「桶狭間」 あらすじ

時は永禄3年(1560年)。近江・琵琶湖畔、幼い千代(子役・永井杏)は領主浅井氏に仕える地侍若宮氏の娘として、父母や村人に深く愛されて育った。戦国乱世、浅井氏は六角氏と小競り合いを繰り返していた。千代の父・喜助(宅麻 伸)も出陣、還らぬ人となる。戦火の中、千代は母・とも(木村多江)とともに山中に逃げ込むが、落人狩りにあい母も落命。一人山中をさまようことになるが、尾張の川のほとりで、一人の落魄の若武者に助けられる。信長(舘ひろし)に滅ぼされた尾張岩倉城の家老の嫡男、山内一豊(上川隆也)であった。一豊は、家来である吉兵衛(武田鉄矢)・新右衛門(前田吟)を従え、仕官先を探す旅を続け、機あらば父の敵・信長を討たんとしていた。一豊は千代に、母・法秀尼(佐久間良子)の元を訪ねるよう言う。時あたかも桶狭間の戦い前夜、信長の妹・市(大地真央)、妻・濃(和久井映見)、そして寧々(浅野ゆう子)をはじめ、清洲の城内・城下とも、信長がどう今川義元(江守徹)を迎え撃つのか騒然としている。千代と別れたあと、藤吉郎(柄本明)と知り合った一豊は、信長の戦う様をよく見るがよいと言われ、桶狭間の地へと向かう。今川軍到着の知らせに城を飛び出す信長。そして桶狭間の戦いが始まる──。