あらすじ 第11話 サプリ 2006年 7−9月 フジ 連続ドラマ

サプリ 第11話(最終回) 伝えたい言葉

 藤井ミナミ(伊東美咲)たちの前から石田勇也(亀梨和也)が姿を消してしまった。クリエイティブ採用試験に落ちたためなのか…? ミナミは動揺してしまう。今岡響太郎(佐藤浩市)のもとには勇也の辞表が届いていた。勇也は実家にも帰った様子がなく、行方不明状態。

 それから、数日が経過するが勇也の行方は依然としてわからない。バイトとはいえ、頼りにしていた勇也がいなくなり、今岡チームのメンバーはいつもの調子がでない。ミナミは自身の動揺を隠して、勇也は戻ってくるとメンバーを励ます。そんなミナミを見ていた荻原智(瑛太)だけは、勇也が辞めた理由を知っていた。勇也は、荻原にミナミを託していたのだ。ミナミたちは勇也が戻ってくると思っているのに対して、今岡の態度はドライに思える。勇也の代わりのアルバイトを連れて来たのだ。

 その頃、勇也はとある公衆電話から実家の母親に電話していた。勇也は、会社には戻らないこと、そして実家に帰ろうと思っていると話す。

 ミナミは、腕時計のCM案を作り直して今岡たちに提示する。しかし、メンバーの反応が今ひとつ良くないことにミナミ自身も気付いた。案の定、今岡はミナミに再考を求める。その日、荻原の北京事業局への異動が正式に発表された。田中ミズホ(りょう)は、荻原に別れを告げ、勇也という恋敵がいなくなったのでミナミへの恋に勝つのは余裕かとちゃかす。すると、荻原の表情が曇った。そして、荻原は勇也が辞めた本当の理由を田中に明かす。荻原は、ミナミに勇也の想いを伝える気はないと言いながらも、どこか躊躇している様子。田中は、ミナミと勇也はタイミングが合わなかっただけだと、荻原を励ます。

 勇也は、まだ東京にいた。サーファー仲間の家に身を寄せていたのだが、ふと今岡のマンションに忘れ物をしてきたことに気付く。サーフボードだった。勇也は、マンションにそっと忍び込んで、ボードを持ち出そうとするが、紺野なつき(志田未来)に見つかってしまう。なつきは、勇也にアルバイトを辞めた理由を厳しく問いただす。なつきには、好きなのに離れてしまう大人の感情が面白くない。最後に、もう一度だけミナミと話し合えと勧めるなつき。素直に認めた勇也は、なつきも今岡と話し合うようにと言い、マンションをあとにした。

 勇也は、ミナミと話すために会社へ向かう。ちょうど会社に着いた時、ミナミが出てきた。駆け寄ろうとした勇也だが、先に荻原がミナミに話しかけた。肩を並べて歩き去るミナミと荻原。勇也は、結局ミナミと話すことが出来ない。

 ミナミと食事に行った荻原は、勇也は逃げただけだと告げる。そして、自分ならミナミとずっと一緒にいられると迫った。

 マンションに帰った今岡は、なつきから勇也の来訪を聞く。なつきも今岡とキチンと話そうとするのだが、うまく言えない。ピアノの発表会は初めてなので緊張すると言うなつきの楽譜に、これを見て落ち着くようにと今岡は自分の似顔絵を書いた。

 腕時計のCM案に悩むミナミは、今岡から商品の声を聞くようアドバイスされて外出。そこで、ミナミは重要なヒントを得て、今岡に再提案する。ミナミが考えたコピーは”WATCHing”。今岡も認めて、CM案作成が動き出す。コピーを見た渡辺ユリ(浅見れいな)は、それが勇也に向けた言葉だろうとミナミに話した。だが、ミナミは気付いていなかった。勇也との時間を思い出すミナミは、作業に入ったチームにコピーを作り直すと言い出す。

 その頃、勇也は地元の小さな広告会社に就職。今岡に近況を報告する。今岡は、健闘を祈ると電話を切った。

 再プレゼンの日。ミナミたちは時計会社に集まるが、今岡は落ち着かない様子。なつきの発表会に行かずに来ているからだ。しかも、出かける前に今岡は、なつきからひと夏が楽しかったと言われていた。どこで聞いたのか、桜木邦夫(相島一之)は、今岡に発表会に行ったほうが良いと促す。しかし、今岡は聞かずにプレゼンの席に着いた。ところが、資料を開くとそこには、なつきが書いた絵。それは、今岡が発表会で緊張するなつきに書いた絵とそっくり。今岡は、プレゼンが始まろうとするとき席を立ち、発表会へと走り出す。

 今岡が会場に着くと、ちょうどなつきの番。緊張するなつきに今岡が声をかける。驚くなつきだが、嬉しさが上回り、目には涙が…。会場には柚木ヨウコ(白石美帆)も来ていた。客席に座った今岡の寂しそうな顔を見た柚木は、自分が一緒に居てあげても良いと言う。そんな柚木の手を、今岡はそっと握った。

 今岡の抜けたプレゼンでは、ミナミが代役を勤めていた。ミナミは”WATCHing”に”with you”をプラスしている。それは、渡辺に言われて気づいた自分の想い。勇也への想いだった。

 プレゼンが成功した帰り道、同行していた荻原がミナミに話しかける。ミナミの想いを知った荻原は、勇也が消えたわけを、ついに正直に話す。居場所を教えた荻原は、ちゃんと想いを告げに会いに行くようにとミナミに告げて去った。その様子を見ていた田中は「いい男になった」と荻原を褒める。

 地元で働く勇也が設置し終えたのは、ミナミが作った腕時計CMの大看板。と、勇也の携帯が着信。声の主はミナミだ。勇也が振り向くと、そこに携帯で話すミナミがいた。驚く勇也に、携帯を離したミナミは、ついに好きだと告白する。勇也は、もう少し地元で働いて一人前の大人になったら、ミナミを迎えに行くと微笑んだ。看板の前で抱き合う二人…。

 東京に戻ったミナミは、仕事に明け暮れる毎日。そんなある日、慌てて会社を出たミナミを待っていたのは勇也。二人の手は、自然につながれて…。

あらすじ 第10話 サプリ 2006年 7−9月 フジ 連続ドラマ

サプリ 第10話 今、俺にできること あらすじ

 藤井ミナミ(伊東美咲)は、自宅マンションに石田勇也(亀梨和也)を招待。大喜びの勇也だが、ミナミはビデオの配線、換気扇やキッチンの水漏れ修理を依頼。全てを終えて、恋人としての時間を過ごしたい勇也だが、ミナミは仕事があるとバッサリ。それでも、2人の時間はゆっくりと動き出そうとしていた。

 一方、中国支局への異動が出ている荻原智(瑛太)は、今岡響太郎(佐藤浩市)と田中ミズホ(りょう)にからかわれる。中国行きが決定したら、連れて行きたい女性がいるらしいと田中が今岡に話したのだ。荻原の心中は複雑。

 そんな時、時計メーカーからミナミ指名で腕時計のCM制作の話が来る。今のミナミは、恋も仕事も前向きで、喜んで引き受けた。また、勇也はクリエイティブ採用一次試験の結果が気になっている。発表前日に、通知方法を尋ねる勇也に今岡が自分のパソコンのメールを開いてみると、すでに結果が届いていた。合格。まだ、厳しい2次試験はあるものの、勇也はミナミとともに大喜び。

 ミナミは、荻原、桜木邦夫(相島一之)と時計メーカーでプレゼン。だが、クライアントの感触は悪く、期待外れとまで言われてしまう。そして、今岡も加わっての再プレとなってしまった。今岡はパターンを破って、新しい発想も身につけた方が良いとミナミにアドバイス。

 ミナミが、再プレ案を考えていると荻原が来た。荻原は、時計メーカーに提出したミナミのプロフィールを持っていた。そこには、ミナミが携わったCMが網羅されている。荻原は、再プレ案の答えはこのプロフィールの中にあると告げた。そこに、勇也が飛び込んで来て、ミナミと荻原を連れ出す。

 勇也が2人を連れて行ったのは洋品店。クリエイティブ採用2次試験で着るスーツを選んでもらおうと考えたのだ。自分が連れて来られたことに疑問を感じながらも、ミナミと2人きりで話す機会を模索する荻原。だが、勇也は次々と試着を繰り返し、ミナミと楽しそうに服を選んでいる。と、荻原は突然、試着室の勇也に海外に異動することになったと声をかけた。さらに、ミナミも一緒に連れて行きたいので、交渉する時間が欲しいと。勇也がスーツの代金を払っている間、一足先に店を出たミナミと荻原。荻原は、中国支局はオリンピックなどを控えた人員補充で、若手クリエイターを募集していることを話す。そして、そこで働く自分にはミナミが必要だと訴える。「藤井さんが好きです」。ついに、荻原が告白した時、ちょうど店から出てきた勇也も聞いたしまった。

 動揺していた勇也だが、会社に帰ると中国行きはミナミの好きに決めて良いと話す。だが、自分ももう後には引けないので、試験をがんばると真剣に語る勇也。そんな勇也に、ミナミは荻原とのことはもう終わったことだと安心させる。

 マンションに帰った勇也は、今岡に面接試験の練習を頼む。そんな中、勇也はなつき(志田未来)をこのままハンガリーに行かせて良いのかと問う。なつきが決めたことだから仕方ないと答える今岡の表情は、どこか寂しげ。

 次の日、柚木ヨウコ(白石美帆)は会社に訪ねて来たなつきと会う。なつきは、このまま自分が行ってしまって良いのかと悩んでいた。そして、なつきはピアノの発表会に今岡と一緒に来て欲しいと頼む。オフィスに戻った柚木は、今岡になつきが来たことを話す。柚木は、なつきを心配させている場合ではないと続けた。

 ミナミは、新たな腕時計のCMプランを社内提示するが、どの案も今ひとつ。荻原は、今岡も加わっての再プレ日を告げる。それは、なつきの発表会の日だった。

 勇也の面接日。気合い十分で臨む勇也のプレゼンは、面接官の受けも良かった。しかし、広告業界の現状や将来を問われると、勇也に答えることは出来ない。

 その夜、今岡はなつきに発表会には行けないと告げる。勇也は、そんな今岡に異を唱えた。すると、今岡はハンガリー行きを決断するための選択だと言う。笑って送り出してやらないと格好がつかないと。

次の日、勇也はスタッフから慰めの言葉を受ける。ミナミも勇也を勇気付けるのだが、その実、腕時計のCMプラン作成に追われていた。スタッフたちからも心配されるが、1人での作業にミナミは没頭する。ミナミの姿を見ていた勇也は、ある決意をした。

 荻原を呼び出した勇也は、このまま自分が一緒にいたら、ミナミに余計な不安を与えて、結局1人にしてしまうと話す。そして、荻原にミナミを任せると…。

 オフィスに戻らない勇也の携帯に、ミナミが電話。勇也は戸惑うが直接は受けず、ミナミが留守番メッセージに入れる声を聞く。勇也を心配し、励まそうとするミナミ。勇也の目からは、自然に涙が溢れた。

 翌日、ミナミが出社するとオフィスは騒然としている。勇也が、辞表を出して姿を消していたのだ。ミナミは、勇也を探しに街に走り出る。だが、その姿はどこにも見当たらず…。

あらすじ 第9話 サプリ 2006年 7−9月 フジ 連続ドラマ

9話 サプリ 二人きりの夜 あらすじ

藤井ミナミ(伊東美咲)は、渡辺ユリ(浅見れいな)から石田勇也(亀梨和也)が好きだとストレートに打ち明けられる。ユリが本気だと感じたミナミは、その夜、勇也に会うことができなかった。ミナミのマンションに着いていた勇也。ミナミから、仕事で帰れないと連絡を受けると、力なく帰っていく。

 勇也は今岡響太郎(佐藤浩市)のマンションに戻った。すると、今岡と紺野なつき(志田未来)がもめている。なつきは、母親からハンガリー滞在が長引きそうなので、一緒に暮らさないかとメールを受け取っていた。今岡は、なつきの意見をろくに聞かず、マンションに留まるようすすめる。

 翌日、会社では携帯電話のテレビ電話機能PRのCM制作案について進捗状況の会議が行われる。ミナミは、ミーティング中から勇也を無視。勇也は、桜木邦夫(相島一之)、松井良英(原口あきまさ)、三田圭介(佐藤重幸)に好きな相手の気持ちがつかめないと相談する。すると、三田は恋する者同士には“好き”のスピード感にズレがあると言われた。だからこそ、恋は素敵だと続ける三田だが、それ以上の話は聞けない。そんな勇也に、荻原智(瑛太)が声をかける。クリエイティブ採用試験を前に余裕を見せている勇也に、荻原は指導係のミナミの期待に応えるようアドバイス。勇也は早速、試験への自分のやる気をミナミにアピールする。すると、ミナミはようやくいつものような勇也への態度に戻った。その様子を、荻原は困惑気味に見つめ、渡辺は挑戦的な視線をミナミに投げる。

 その後、ミナミは桜木たちとミーティング。そんな中、三田はミナミの勇也に向ける優しい眼差しに気付いて揶揄。すると、桜木はミナミが年下の男を相手にするようなことはないだろうと否定した。困惑するミナミ…。

 一方、勇也と買出しに出かけた渡辺は、会社への帰り道、勇也とミナミの恋を応援していると言い出す。だが、心は裏腹。その証拠に渡辺は、ミナミのような女性は無難な将来が見える相手を選ぶだろうと勇也を揺さぶる言葉を続けた。

 期せずしてミナミも柚木ヨウコ(白石美帆)から、同じ言葉を聞かされる。今岡との恋が停滞する柚木は、年下の男のほうが、将来が見えやすいから楽かもしれないとミナミに話した。

 会社に戻った勇也は、荻原にアドバイスの礼を言う。勇也が去ると田中ミズホ(りょう)は荻原に、いつから“いい人”を演じるようになったのかと、少し意地悪に問いかけた。

 会社に残って試験勉強をしていた勇也は、自分が見たこともない商品のコピーをどう考えたらよいのかとミナミに尋ねる。ミナミは、そんな時は自分の目線で見た商品を考え、常に基準を自分にするようにと答えた。買出しに出かけたミナミと勇也は公園に差し掛かる。噴水池を見た勇也は、小銭を出して池に投げ入れて何やら願掛け。ミナミが微笑ましく見ていると、会社の同僚たちが通りかかる。ミナミは、勇也との関係をごまかそうと慌てる。同僚たちが行ってしまうと、勇也は先ほどのミナミの答えを引用しながら“もし、自分が藤井さんだったら、社内で噂になったり、目立つのは嫌だ”と言い、ミナミを安心させようとする。そんな勇也にミナミは戸惑う。

 会社に戻ったミナミと勇也は、そのまま徹夜。朝、出勤してきて二人を見た渡辺は、荻原に早くミナミを掴まえて幸せになれとハッパをかける。

 そんな時、今岡たちが進めてきたCMアイデアがAKコミュニケーションに横取りされたことが発覚。またしても、今岡の元部下、神津晃(渡辺航)の仕業だ。一同は、アイデアを練り直すことになる。その最中、勇也が風邪で倒れてしまう。ミナミは勇也を今岡のマンションへと連れて行った。二人を迎えたなつきは、気を利かせて勇也の看病をミナミに任せる。

 次の日、ミナミは新たなCMアイデアを提出することが出来なかった。ミナミは今岡から、やると言ったものはやれと叱責される。その様子を見ていた荻原が話しかけると、ミナミは勇也を想うことへの不安を打ち明けた。さらに、ミナミは渡辺に近寄り、勇也を託すと告げる。自分では交際が難しいので、渡辺に勇也を見ていて欲しいと。

 数日後、勇也と渡辺のクリエイティブ採用一次試験が始まった。今岡は、柚木が考えたコピーをCM案として練り上げ、クライアントにプレゼン。評価は高いものだった。帰り道、今岡は柚木のコピーを褒める。すると柚木は“合わせる顔がない”というコピーは、今岡自身のことだと言われてしまう。

 試験を終えた勇也を、ミナミが迎えに来た。試験が終わったら会いたいという勇也からのメールに答えたものだが、ミナミはある決心をしていた。

 勇也が小銭を投げ入れた噴水池まで歩く二人。ミナミは、沈んだ表情で決心を告げようとするのだが、勇也は話をさせない。それでも、ミナミが話そうとした時、噴水が上がった。その美しさに目を奪われる二人。勇也を見ていたミナミは、話そうとしていた言葉を飲み込む。そして、勇也は自分の自慢だとミナミは告げた。

 その頃、会社では荻原が北京事業局異動の打診を受けていた。どうするのかと尋ねる田中に、荻原は北京に行くかどうかではなく、いい人をやっている時間は無くなったと…。

あらすじ 第8話 サプリ 2006年 7−9月 フジ 連続ドラマ

サプリ 第8話 彼を私に下さい! あらすじ

 藤井ミナミ(伊東美咲)は、石田勇也(亀梨和也)の告白を受けとめる形となった。そのためか、選択に迷っていた新しいバッグも買う。だが、それは以前、探していたものとは違うバッグだった。そのバッグに気づいた柚木ヨウコ(白石美帆)は、すぐに壊れそうだと微妙な発言。ミナミの心は、まだまだ揺らぎそうで…。

 一方、ミナミに自分の想いが伝わったと喜ぶ勇也は、今岡響太郎(佐藤浩市)、なつき(志田未来)父娘に手作り弁当をサービス。渡辺ユリ(浅見れいな)には、ハッキリと好きな女性と心が通じたと打ち明けるのだが…。

 その頃、今岡チームは新機種携帯のCM制作受注に躍起。5社の代理店が競合する受注合戦だ。だが、ミーティングの最中も勇也の熱いラブ視線がミナミに注がれる。視線だけでなく、2人きりになると甘い言葉を口に出す勇也に、ミナミはハラハラしながらも満更でもない。

 そんな時、ミナミは今岡に呼ばれる。今岡は、勇也に自社の「クリエイティブ採用試験」を受けさせようとしていた。その指導係にミナミを指名し、人事部に出す勇也の推薦文を書くよう命じる。早速、ミナミは勇也に試験のことを話した。だが、勇也はミナミと一緒にいられるということだけで喜んでしまう。ミナミは、気を引き締めてかかろうと忠告するのだが、勇也は手作り弁当を渡してニコニコ。自分への想いにのめり込む勇也に、ミナミは不安を募らせる。

 ミナミは勇也を新機種携帯の展示ルームへと連れ出した。ミナミが担当者と会っている間、一人になった勇也の前に荻原智(瑛太)が現れる。これ見よがしに、持っていた数冊の雑誌のデート特集を広げてみせる勇也だが、荻原に真意はわからない。しかし…。

 帰り道は、ミナミ、荻原、勇也が一緒。別れ際、荻原は「良かったですね」と意味深な言葉をミナミに投げた。荻原が遠ざかると、ミナミは勝手に自分とキスしたことを荻原に話したのかと勇也を問い詰める。だが、勇也は話してはいなかった。デート特集の雑誌もミナミが資料に使うと言っただけだった。今度は、逆に勇也が自分と交際することが恥ずかしいのかとミナミに尋ねる。言葉の出ないミナミに勇也は、それでも自分は好きだと言い残して去って行った。

 そんなある日、勇也は仕事で外に出られない桜木邦夫(相島一之)の代わりに、彼の子供の誕生日プレゼントを買いに行く。そんな勇也の行動を知ったミナミは、彼の採用についての所見を書き始めた。戻ってきた勇也は、廊下に佇む渡辺に気づく。渡辺は、採用試験の要旨を見ていた。話しかけようとする勇也は、ミナミに呼ばれる。ミナミは、採用試験に向けての自己PR文を書いていない勇也を注意し、自分の部屋の電球が切れたことを例にCMプランニングの説明を始めた。だが、勇也は自分たちのことを話し合いたいので、ミナミの部屋に行っていいかと、唐突に聞く。ミナミが動揺していると、三田が、ブレイン・ストーミングが始まると呼びに来た。

 新機種携帯のブレストでは、愛の告白を電話でするか、直接言うかが話題に。荻原は、好きだという告白自体が苦手だと言う。すると勇也が、ミナミの顔を見ながら自分は最近告白したなどと言い出した。本筋から外れていると判断した今岡は、勇也の言葉を遮り、ミナミにブレストの意味を教えるようにと促す。

 屋上に出ると、勇也はミナミの態度にゴマ化されているようで、イライラしていると訴える。すると、ミナミはイライラしているのは自分に自信がないからだと反論。そして、今の勇也に好きだと言われても困るとキッパリ。

 制作局に帰った勇也は、今岡に採用試験をやめるかと言われてしまう。今岡は、ミナミが書いた勇也の所見を見せる。その中でミナミは、勇也には、まだ社会人としての自覚は足りないが、何かを生み出すハートはあると結んでいた。勇也は、ようやく自己PRを書き出した。

 次の日、外回りに出たミナミは、荻原に誘われる。と、そこに勇也からメール。PR文を書いたという内容に、ミナミは急いで会社に帰った。デスクには、勇也のPR文が。ミナミが読んでいると今度は、勇也から電話。最後の一文を読んで欲しいという勇也に、ミナミが目を走らせると“俺の最終目標は、藤井さんの自慢になることです”とあった。驚き、喜ぶミナミは、部屋に来ても良いと勇也に告げる。

 勇也は、勇んでミナミのマンションに向かう。その途中、切れたとミナミが言っていた電球も買って…。一方、ミナミが会社を出ようとすると、外は雨。傘を差して歩き出したミナミを渡辺が呼び止めた。そして、勇也を下さいとミナミに訴える。その切実な願いに、ミナミは…。

あらすじ 第7話 サプリ 2006年 7−9月 フジ 連続ドラマ

サプリ 第7話 ぶどう畑のキス

 「一緒にいる意味が分からない」。藤井ミナミ(伊東美咲)が、田中ミズホ(りょう)と彼女の夫との間で揺れる荻原智(瑛太)に言ってから一週間が経過。その間、ミナミは荻原と連絡も取っていなかった。柚木ヨウコ(白石美帆)は、そんなミナミを元気づけようとする。しかし、柚木自身も今岡響太郎(佐藤浩市)から別れを切り出されたままだった。

 関係がギクシャクしているとは言え、同じ会社のミナミと荻原は当然会うことも多い。しかし、ミナミは荻原の姿を見かけただけで身を隠そうとしてしまう。ミナミの行動を訝しむ石田勇也(亀梨和也)。だが、勇也も渡辺ユリ(浅見れいな)との関係に戸惑っていた。ところが、渡辺は彼氏と別れたと勇也に告げる。そして、渡辺は自分が今一番、恋愛の基本形「好き好きチュー」がしたいのは勇也だけだと言う。

 そんな時、今岡チームは大手アルコール飲料メーカー『シャントーニ』の企業CMを手がけていた。先方の宣伝担当の熱すぎる情熱に辟易していた今岡は、代わりにミナミを山梨のワイナリーに出張させることにする。

 ミナミが出張の打ち合わせに行くと、プレゼンルームにいたのは荻原。通りかかった勇也を引き入れたミナミは、荻原と気まずい関係にあることを話す。さらには、山梨出張に同行させようとするのだが、きっぱり断られてしまう。荻原との打ち合わせを終えたミナミに、勇也は「好き好きチュー」で荻原にぶつかれば良いと忠告。そして、勇也は、自分は渡辺が好きで、山梨出張の日は彼女とデートだと話した。ミナミは、勇也の言葉に、しばし呆然としてしまう。

 その夜、今岡のマンションでは渡辺とデートの約束をする勇也の電話に、紺野なつき(志田未来)が聞き耳を立てていた。同じ職場の女性らしいとなつきから聞いた今岡も興味津々。社内恋愛をバカにするような今岡に、なつきは「人のことを言えるんですか?」と突っ込む。すると、「もう別れた」との今岡の答えが返ってきて、なつきは驚く。

 山梨出張。駅で待ち合わせてから現地までのミナミと荻原は文句や嫌味の言い合い。ワイナリーに着いた二人を『シャントーニ』の宣伝担当・平野ユミコ(横山めぐみ)が出迎えた。平野は、ミナミたちにワイナリーの経営者夫婦を紹介。CM案の感想を聞くと、夫妻の表情が曇った。

 オフィスにいた勇也は、松井良英(原口あきまさ)に呼ばれる。山梨のミナミにビデオテープを届けて欲しいと言うのだ。CM案は、経営者夫婦がワイナリーで働く姿をドキュメンタリータッチで捉えるというもの。だが、経営者夫婦が出演を渋ったため、これまでに作った同様のCMを送って欲しいというミナミからの依頼だった。ミナミたちが待っていると、ようやく勇也が到着。なぜか渡辺もついてきた。

 その夜、ワイナリーの従業員たちがバーベキューを用意してくれた。ミナミと荻原、勇也と渡辺と自然と別れるが、ミナミと勇也がお互いの様子を気にしていることを、荻原と渡辺も感じていた。経営者夫婦は、勇也の持ってきたビデオを見て出演を承諾。平野は、このまま打ち合わせに入ろうと言うのだが、すでに夜。すると、経営者夫婦が泊まっていくように勧める。遠慮するミナミたちだが、温泉があると聞いた勇也は飛びついた。

 荻原と風呂に入った勇也は、もしミナミと荻原に進展がないなら、ミナミに告白しようなどと牽制。一方、女風呂では渡辺がミナミに、勇也を横取りするなと釘を刺していた。

 勇也がワイナリーに戻ると、一足先に帰ったミナミがCM案の再プレを考えていた。一緒に考えると言う勇也に、ミナミは今、出来ている案を見せる。キャッチコピーは“未来の幸せ、まっすぐあなたに”。ミナミは、勇也に渡辺との関係を聞こうとする。その時、経営者夫婦が目に入った。2人は、ゆっくりとワイングラスを傾ける。ミナミは、そんな夫婦が理想なのか、ひとりで働いていくのが理想なのか…自分にとっての“未来の幸せ”に思いを巡らす。

 勇也は、ワインセラーに行くとミナミの生まれ年のヴィンテージワインを見つける。そこに渡辺が来た。勇也は慌ててワインを隠すが、渡辺にミナミの生まれ年のものであることを見破られてしまう。渡辺は、ミナミは最終的に勇也を選ばないと告げる。ミナミは勇也を男以下にしか見ていないと。その上で、自分とミナミのどちらかを選んで欲しいと迫られた勇也は、ある決意を固めた。

 その頃、ミナミは荻原と一緒にいた。荻原は、ようやく田中との電話が通じ“本当の自分を見せなさい”と言われたばかり。その通りに、ミナミに自分の過去を語る荻原。

 翌朝、再プレ案を書き上げたミナミが、ぶどう畑に出ると、勇也が草刈りをしているではないか。ミナミは、再プレ案を一緒に考えなかった勇也をなじる。すると、勇也はミナミのヴィンテージワインを手に入れるためにバイトをしていたと言う。さらに、もう弟分ではいたくはないと、思い切ってミナミに告白する勇也。全てを吐き出した勇也は、ミナミにキス。ミナミも、勇也にキスで応えて…。

あらすじ 第6話 サプリ 2006年 7−9月 フジ 連続ドラマ

サプリ 第6話 透けてみえる恋心

 藤井ミナミ(伊東美咲)は、柚木ヨウコ(白石美帆)にショッピングを付き合ってもらう。ミナミは壊れたバッグの代わりが欲しいのだが、これがなかなか決まらない。そんなミナミに、柚木はバッグと男選びは趣味が似ると進言。つまり、ミナミは注文ばかり多くて、ひとつに決めきれない女と言い切る。荻原智(瑛太)なのか…それとも? 会社に戻ったミナミの視線は、なぜか石田勇也(亀梨和也)を追ってしまう。しかし、どう見ても勇也は自分の恋愛対象になりそうにない。

 そんな折、今岡響太郎(佐藤浩市)のチームは、カレールーのCM制作案を手がけることに。勇也はやる気満々だが、桜木邦夫(相島一之)たちメンバーの表情は暗い。カレールー業界は、新作が相次ぐ激戦区。新製品を売り出すためのCM制作には、相当なプレッシャーがかけられるのだ。とにもかくにも、商品を知ろうということで、試食会を開くことになる。ミナミは、女性ならではの勝負カレーを作ることを依頼されてしまった。だが、ミナミは料理が苦手。一人で悩むミナミに、勇也が助け舟を出す。

 ミーティング後、営業に戻った荻原は、田中ミズホ(りょう)が早退したことを知る。同僚の言葉では、家庭内での揉め事らしい。驚く荻原は、田中から夫と別れようと考えていることを聞いていた。その頃、柚木は今岡に自分も癒して欲しいと訴える。だが、その時、今岡の携帯電話が着信。娘のなつき(志田未来)が学校で怪我をしたらしい。今岡は、柚木の話もそこそこに、会社を飛び出してしまった。一方、勇也はミナミのために、荻原に食べ物の好き嫌いをリサーチ。ついでに、試食会の会場も勝手に決めてしまう。

 勇也が決めた会場とは、今岡のマンション。なつきを迎えに行った今岡の留守に、チームのメンバーを招き入れた勇也は、ミナミの料理をお手伝い…と、言うより、メインの料理人は勇也。キッチンに入っているミナミと勇也をよそに、桜木や松井良英(原口あきまさ)は、上司の家を観察。柚木は、それとなく荻原に、ミナミをしっかり掴まえてやれとアドバイス。

 勇也が、みんなに今岡の古いアルバムを見せようとしたところに、本人がなつきと一緒に帰ってきた。バツの悪い勇也は、ミナミと買い物に。ミナミが買ったのは、マヨネーズ。勇也は、荻原のためだと気付く。荻原のどこが良いのかと問う勇也に、ミナミは憧れかもしれないと答える。何もかも器用にこなす荻原への憧れ…だが、荻原の姿に田中の影が重なるとも言う。

 ミナミたちが帰ると、いよいよカレーの試食。勇也が作ったとは知らないメンバーは、味を褒める。カレーを食べ終わると、メンバーはそれぞれに思いついたCMコピーをしゃべりだして…。

 次の日、飛び込みの仕事のミーティング後、ミナミは田中から昼食に誘われる。田中は、自分と荻原の恋の歴史を話し出す。学生時代からの長い交際。荻原を想う田中にミナミは困惑してしまう。

 勇也は、カレーのコピーを考える。その姿を見ていた渡辺ユリ(浅見れいな)は、どうせ使われないと言うのだが、勇也の真剣な姿に、プレゼンの仕方などが書かれた本を渡した。

 こうして、今岡チームでは、みんなが考えたコピー案が発表されることに。勇也も自分の考えたコピーを発表。渡辺から借りた本のおかげか、勇也のプレゼンはメンバーの意表をつく。今岡も、今後は勇也もメンバーに加えることをメンバーに提案するほど。ミナミは、もっと説得力をつけるようにと勇也に厳しい。それを見ていた渡辺は、もっと勇也をほめても良いと言う。すると、勇也はミナミが意見を言うのは少しだけでも自分に期待してくれたからだと答える。それは、側で聞いていた荻原に対しての言葉でもあった。ミナミの期待に応えないのは、もったいないと勇也。

 勇也の発言に刺激されてか、荻原は田中に夫との関係を尋ねる。はぐらかそうとする田中に、荻原はもし、夫婦間に問題があるなら、それは自分の責任でもあると続けた。すると、田中は荻原との恋にピリオドを打つことを自ら宣言する。

 翌日、荻原はミナミをデートに誘う。勇也は直したCMコピーをミナミに見せようとしたのだが、2人の姿を見て渡すことが出来なかった。デスクに戻った荻原は、田中の夫からの電話を受ける。やはり、夫は田中と荻原の関係に気づいていた。田中の夫は、妻を手離さず、荻原も許さないと告げた。

 一方、今岡は柚木に別れを切り出す。自分では柚木を癒すことが出来ないだろうと…。

 ミナミは荻原とデート。食事を終えた荻原は、学生時代に自分が過ごしたラグビーのグラウンドにミナミを誘う。そうして、黙々とボールを蹴り始めた。そんな荻原を見ていたミナミは、田中の強い想いを感じる。田中と荻原の長い絆を思い知るミナミは「一緒にいても、つまらない」と自ら別れの言葉を口にして、一人、グラウンドに背を向けて帰った。

 その頃、渡辺に本を返しに行った勇也は、かつて彼女がクリエーターを目指していたことを知る。ミナミへの憧れを切なく語る渡辺を、勇也は優しく抱きしめて…。

あらすじ 第5話 サプリ 2006年 7−9月 フジ 連続ドラマ

サプリ 第5話 私を見守る人

 藤井ミナミ(伊東美咲)は、荻原智(瑛太)の携帯電話を田中ミズホ(りょう)が受けたことが気になって仕方がない。いったい、荻原と田中の関係は? 荻原に聞きたいことは山ほどあるが、ミナミにはどう切り出したら良いか分からなかった。

 一方、石田勇也(亀梨和也)は路上で目を覚ます。体には、女性物のカーディガンがかけられていた。渡辺ユリ(浅見れいな)と飲んだところまでは覚えているが、その後どうなったことやら…。出社しても記憶を思い出そうと必死の勇也に、渡辺が意味深な発言。

 制作局では、ミナミと勇也が同時にタメイキ。お互いのタメイキの原因を探り合ううち、勇也はうっかりミナミに田中のことかとふってしまう。何を知っているのかと、物凄い勢いで尋ねるミナミに勇也が気圧されていると、当の田中が来た。話があると田中に呼ばれたミナミは、警戒心を張り巡らせる。しかし、田中の話は荻原のことではなかった。新しく取ろうとしているCMを、アニメ界で有名な柳瀬シン(小市慢太郎)に依頼することになっていた。その依頼に、田中が一緒に行くという件だった。それでもミナミは…。柳瀬の事務所に、ミナミは勇也を無理やり同行させる。

 柳瀬と対面したミナミと田中は、説得を始めた。柳瀬は、なぜ自分に依頼が来たのかに疑問を持っている。そんな柳瀬の世界観を、CMを通してもっと広めたいとミナミは熱く食い下がった。その甲斐あってか柳瀬は承諾し、ラフコンテも描いてくれた。会社に戻ってもスタッフの評価は上々。今岡響太郎(佐藤浩市)も、柳瀬のラフを手土産に、もう一度クライアントにあたるよう指示を出した。

 そのミーティング後、ミナミは田中に飲みに行こうと誘われる。ミナミと田中、ふたりだけの飲み会は、まずは話すこともないので飲んで食べるだけ。ひと通り食べ終わると、先に口を開いたのはミナミ。聞きたいのは荻原のことだが、田中ははぐらかしてもう一軒飲みに行こうと言う。店を出ると、酔って上機嫌で歩く田中だが、気持ちが悪くなってしまう。そんな田中を介抱するミナミ。すると、田中は、荻原はまだミナミにはあげないと宣言。

 その頃、今岡のマンションに柚木ヨウコ(白石美帆)がやって来た。勇也は驚き、今岡はなつき(志田未来)もいるので困惑。なつきは、寝室に柚木を招きいれ、今岡は誰とも一緒になれないので離れた方が良いと忠告する。今岡も、柚木を自分のエリアにあまり入れたくないと勇也に話していた。

 翌日、勇也に渡辺が接近。ミナミもいる前で次の予定を迫る渡辺だが、勇也は先日のことが気にかかる。渡辺は、あっさりとカラオケ屋で勇也が歌いっ放しだったと話すが、自分の立場をハッキリさせて欲しいとも付け加えた。つまり、ミナミの前で大胆にふるまったのは彼女の反応を見るため。渡辺によると、これでミナミが勇也を男として意識しているかどうかを量れると言うのだ。

 勇也は、仕事をしているミナミの側で渡辺との出来事をアピールしてみる。だが、ミナミの視線は話をしている荻原と田中に注がれていた。ムッとする勇也。

 ミナミが打ち合わせのため、ミーティングスペースに行くと、柚木が話しかけてきた。柚木は、ミナミと荻原、田中の関係に気づいている。驚くミナミに、柚木はお互いに頑張ろうと告げた。柚木に背中を押されたミナミは、思い切って荻原を誘う。すると、出張帰りの荻原は土産を持って、ミナミの家に行くと答えた。

 翌日の夜、約束通りに荻原が来た。なんとか部屋を片付け、手料理に見せかけた食事でもてなすミナミは、田中との関係を荻原に聞こうと思うのだがキッカケがつかめず、ついつい飲みすぎて寝てしまった。目を覚ますと、既に荻原は帰ろうとしている。慌てて引きとめようとするミナミに、荻原は「藤井さんは、僕にとって大切な人」と言い残して帰っていった。荻原に安心を感じるミナミ…。

 しかし、恋が少し進展したかに思えるミナミは、仕事で危機に陥る。クライアントが、柳瀬のアニメではなく、実写版のCMを求めてきたのだ。アニメと実写の融合という折衷案を提示するが、柳瀬が納得するはずもない。結局、クライアントの意向どおりに仕事が進むことになる。激しく落胆するミナミに、田中はクライアントの意向に添えないような器の小さい女には荻原を渡せないと追い討ち。

 しかし、田中も…。ミナミよりも先に、荻原を呼び出した田中は、自分の営業方針に納得をしているわけではなかった。それを見抜いた荻原は、今回でこんな付き合い方は最後にすると言う。すると、田中は夫と別れたら…と、切り出した。

 一方、落胆するミナミに出来ることは、やはり仕事。一人、図書館でCM案を考える。閉館になって、出ようとした時、勇也がきた。勇也は、彼なりにミナミを心配していた。そして、精一杯の言葉でミナミを励ます。その素直な優しさに、思わず涙が出そうになるミナミ。笑って誤魔化すのだが、勇也の言葉はミナミの心に深くしみて…。

あらすじ 第4話 サプリ 2006年 7−9月 フジ 連続ドラマ

サプリ 第4話 「年下の男たち」 あらすじ

藤井ミナミ(伊東美咲)は、石田勇也(亀梨和也)に背中を押してもらったおかげで、荻原智(瑛太)と2人きりで打ち上げ花火を見るという素敵な時間をゲット。

 翌朝、出社したミナミは素直に勇也に礼を言う。喜ぶミナミに対して、勇也の気持ちはチョッピリ複雑。それでも、元気なミナミと勇也はふざけあう。そんな2人を松井良英(原口あきまさ)が見ていた。

 仕事を始めたミナミのもとに、荻原から『今晩、空いてますか?』のメール。早速、返事を返すミナミ。制作局内では、ミナミだけでなく、パソコンや携帯電話での私的メールが飛び交う。今岡響太郎(佐藤浩市)は、柚木ヨウコ(白石美帆)と、松井は渡辺ユリ(浅見れいな)に、三田圭介(佐藤重幸)は英語でラブメールを打っていた。そんな中、桜木邦夫(相島一之)が今岡に¥"自主プレ¥"が明るい展開をしていると報告。

 ミーティングスペースに今岡チームが集まった。¥"自主プレ¥"が分からない勇也に、柚木は代理店が決まっているクライアントに、自主的にCM案をプレゼンすることだと説明する。今回は、アイ・エレクトロニクスという会社にミナミたちが持ち込んだ案が、かなり良い感触で検討されているらしいのだ。気合を入れるミナミに、松井がプライベートもノッているから大丈夫と意味深のフリ。食いついたのは、三田と桜木。今朝のミナミと勇也の様子を見た松井は、2人が社内恋愛中と勘違いしていた。ミナミと勇也はお互いを揶揄しながら全面否定。そこに、荻原がやって来て…。ミナミは荻原に、勇也とのおかしなやり取りを見られてしまって自己嫌悪。一方、営業局に戻った荻原は、田中ミズホ(りょう)と染谷淳史(中村祐樹)が、アイ・エレクトロニクスを担当することを知る。荻原は、染谷に自分を担当にして欲しいと頼む。

 荻原がミナミを誘いに来た。てっきりデートだと思うミナミは、しっかり化粧を直して行くのだが…。なんと田中が一緒。荻原の誘いは、ローシャン化粧品との会食だった。3人が出かけるのを見送る勇也に松井が声をかける。松井は勇也を巻き込んで、渡辺たちと数人で飲みに行くことにしたのだ。

 ローシャン化粧品のメンバーと会食するミナミは、荻原、田中の営業トークの上手さに舌を巻く。会話中、田中は荻原の家族の話を持ち出した。ミナミは、荻原のことを知らない自分に、今さらながら気づかされる。

 松井たちと飲む勇也は、渡辺のターゲット。好きなタイプや、過去の恋などを聞きだされる。挙句は、酔ったふりをした渡辺に送って欲しいと言われる勇也。勇也が相手にしないと、渡辺はミナミとの関係を問い質す。全否定する勇也だが、真顔で尋ねられると…。

 会食を終え、それぞれの帰り道。ミナミは荻原の携帯に電話するが話し中。その時、荻原が電話していた相手は田中だ。荻原は、田中の他にも良いと思える女性がいると伝えていた。

 次の日、ミナミはローシャンの新商品発表会に渡辺たちを誘う。だが、勇也のこともあり、渡辺のミナミへの態度は冷たい。新商品発表会の打ち合わせがイベント会社も交えて行われた。田中は荻原を勇也に呼びに行かせるが、アイ・エレクトロニクスの件でミーティング中。田中は、荻原はローシャンよりもアイ・エレクトロニクスを取ったとミナミに話す。さらに、田中は勇也に発表会の連絡係を頼んだ。

 数日後、勇也は発表会の設営会場で田中と二人きりで話す機会を得る。勇也は、思い切って荻原との関係を尋ねてみた。すると田中は、否定せずに2人の関係は荻原に聞いてみてと答える。会社に戻った勇也は、荻原を見つけて問いかけた。荻原は自分のことを全て分かってくれて、少しでも側にいて欲しいのに、田中には夫がいると苦悩をぶちまける。そんな荻原の告白を、ミナミが聞いてしまった。

 発表会当日。イベント会社のミスで招待状の日付が間違っていたことが判明。ミナミや勇やたちは総動員で、ゲストの確保に走る。ミナミには、更なるミスが襲い掛かかった。またしてもイベント会社がゲストへのプレゼントを忘れたと言うのだ。発表会には、予定されていたゲストが集められ、無事にスタート。一息つく勇也たち。しかし、荻原がミナミの不在に気づく。ミナミは会場の裏口付近で、ひとりでゲストへのプレゼントを袋詰めしていた。ミナミを見つけた荻原は、素直に謝る。だが、ミナミの気持ちは別にあった。ミナミは荻原に自分を必要だと思って欲しかったと訴える。荻原はミナミにキスをして…。そんな2人を勇也が見てしまう。勇也が帰ろうとすると、渡辺が来ていた。しつこくせまる渡辺に、いい加減にしないと襲ってしまうと勇也。渡辺は、挑発的に「いいよ」と答えた。

 ミナミは荻原と会場を後にした。すると、荻原の携帯が田中からの電話を着信。話したいことがあると切った荻原は、ミナミに少しだけ自分の時間をくれと頼む。そして、荻原は田中と会い、好きな女性がいることを切り出した。荻原が席を話すと、彼の携帯が鳴る。かけてきたのはミナミ。そして、電話を受けたのは…田中。田中の冷静な声に、ミナミは…。

あらすじ 第3話 サプリ 2006年 7−9月 フジ 連続ドラマ

サプリ 第3話 「10年後のあなたに」 あらすじ

 …肩を貸しただけ…。ただ「それだけ」のはずなのに、藤井ミナミ(伊東美咲)は荻原智(瑛太)を意識してしまう。『クリエイトエージェンシー』が新たに携わることになった次世代高層マンション「MMタワーズ フォレシス」のCMミーティング中にも、ミナミの目は荻原を追っていた。そんなミナミに気付いているのは石田勇也(亀梨和也)。ミナミと荻原が抱き合うシーンを目撃してしまった勇也は面白くない。

 ミナミは意識すればするほど、荻原への態度がぎこちなくなってしまう自分が分かっていた。ミナミ自身に足りないもの、それが「かわいげ」だとも。そんな時、三田圭介(佐藤重幸)が仲間に恋の悩みを打ち明ける。ジムで出会った相手を意識すると、喋ることが出来なくなるという三田に、柚木ヨウコ(白石美帆)は意識すると余計に重くなるから「ヨッ!」という感じで、軽く行けとアドバイス。

 早速、ミナミはその手を試してみた。しかし、荻原に「ヨッ!」と、いつもとは違うノリで挨拶してみたものの、ミナミはたちまちドギマギしてしまう。そんな様子を渡辺ユリ(浅見れいな)と見ていた柚木は、荻原はミナミの持っていない恋の武器を使いまくりだと危惧する。ドギマギのミナミにいつも通りに接する荻原。やはり、ここでも「かわいげ」を見せられないミナミは、落胆してオフィスに戻る。

 さて、そんなミナミに「ヨッ!」を使ってみたのが勇也。だが、ミナミには届かず無視された。勇也の行動を見ていた渡辺は、思わず「可愛すぎる!」。一方、営業局に戻った荻原には田中ミズホ(りょう)から「また会いたい」のメールが届く。荻原が困惑しながら田中を見ると、甘えるような視線をチラリ。これが、ミナミには出せない「かわいげ」、しかも高等技術だ。

 渡辺は、勇也へのアプローチを開始。溢れかえる雑用に追われる勇也をさりげなくフォローし始めた。また、勇也は自分が描いたポテトチップスCMの絵コンテが、社内で好評らしいことに気を良くし始める。

 仕事帰りのダイニングバーでも、勇也のアイデアは持ち上げられた。三田だけでなく、荻原にも褒められると勇也の頬は思わず緩んでしまう。そこに、ミナミが遅れて到着。荻原に自分の隣に座るよう薦められるが、やっぱり意識してしまうミナミはとっさに勇也の横に。荻原、勇也、ミナミの席順。自分の隣にミナミが座ったことが嬉しい勇也。だが、ミナミの意識が荻原に向いていると感じると面白くない。そんな時、荻原が「フォレシス」のモデルルームに行こうとミナミを誘った。「明日は日曜なのに、もしかして誘われた? それともただの仕事?」ミナミが平静を装ってメンバーを確認すると、居合わせた仲間に同行を問いかける荻原。しかし、好調に達しつつある宴の中、誰も返事をしない。ただ一人を除いて…。勇也が、手を挙げたのだ。

 日曜日。カジュアルだけど、気合十分のミナミは荻原と合流。ミナミにとってのお邪魔虫、勇也も二日酔いの上、遅刻してやって来た。早速、モデルルームへと向かうが、勇也はミナミと荻原の会話に混ぜてもらえない。しかし、モデルルームから建設現場に到着するなり荻原の携帯電話が着信。別件でクレームが入ったと、荻原は会社に行ってしまう。落胆するミナミは、荻原への想いは恋ではないと思い込もうとする。そして、一通りモデルルームを見たミナミは、自分たちも会社に戻ろうと勇也を促した。

 編集室に寄ってから会社に行くというミナミと別れた勇也は、渋々出社。と、タクシーに乗り込もうとする荻原と田中を目撃。親密そうな二人の様子に、勇也は驚いた。

 その頃、今岡響太郎(佐藤浩市)は自宅マンションで柚木と二人の時間を過ごしていた。本を取りに来ただけという柚木に、娘の紺野なつき(志田未来)は留守だからと迫る今岡。ところが、今岡の実家に戻っているはずのなつきに見られてしまい…。

 帰ってきた勇也は、今岡から話を聞いて部屋にこもってしまったというなつきが心配。すると、なつきが顔を出した。そして、一度は今岡の実家に身を寄せると言ったなつきだが「やっぱり、ここに居ます!」と宣言。今岡には、なつきの気持ちが理解できない。

 次の日、ミナミは荻原への想いを忘れようと仕事に集中しようとする。勇也は、三田から別のCMコンテを頼まれて、雑用を渡辺に頼んでしまう。勇也が与えられた仕事をせずに、コンテを書いていることを知ったミナミに不安がよぎる。さらに、勇也の書き上げたコンテを、素人がここまで出来れば便利と評する三田にミナミは…。

 翌日「フォレシス」の今岡とミナミのCM案が社内で発表された。今岡が、ミナミの家族を打ち出した案に異を唱えると、勇也が食いつく。なつきとの関係をキチンとしない今岡に、業を煮やした勇也の発言だった。しかし、ミーティング後、ミナミは勇也を叱責。また、クリエーター気取りはやめて、自分の仕事をしっかりやれと厳しくアドバイスするミナミに、勇也は反論。自分こそ荻原のことでフワフワしているくせに、本人の前では平静を装うのは可愛くないとズバリ。「いくつになっても…『可愛くない』って…こたえる」と、ミナミは行ってしまった。

 その夜、今岡が帰宅すると、なつきがひとりでピアノを弾いていた。今岡を確認すると、辞めてしまうなつき。沈黙の中、今岡はミナミが提案したCM案を思い出す。そして、なつきと別れる時にした約束を思い出した。「いつか…また、一緒に練習しよう」。忘れていたことを謝る今岡に、なつきは涙を流す。そうして2人は、約束の練習を始めた。

 これが今岡の制作魂に火をつけた。ミナミの案を推し進めた形でプレゼンし、ライバルを押しのけてCM制作へと結びつける。一方、勇也は渡辺に飲みに誘われる。店にいた三田から、勇也はミナミが自分を心配していたことを知った。

 勇也は、ミナミと荻原の携帯に電話。クライアントから呼ばれたと嘘をついて“フォレシス”建築現場に呼び出した。勇也は、もう一度ミナミに電話して礼を言い、その背中を押した。ミナミも勇気を出しては見るが、いざ荻原を前にするとしどろもどろ。と、その時、花火が上がった。花火を眺めるミナミに、荻原は「すごく可愛い顔していますよ」。2人の距離は、また少し縮まった様子で…。

あらすじ 第2話 サプリ 2006年 7−9月 フジ 連続ドラマ

サプリ 第2話 「動き始めた気持」 あらすじ

 仕事に邁進するあまり、恋をおろそかにした藤井ミナミ(伊東美咲)は、4年間交際していた恋人にフラれてしまった。だが、ミナミにとって失恋の寂しさを紛らわすのも、やはり仕事。会社に行って仕事に打ち込み、ちょっとした空き時間に石田勇也(亀梨和也)を合気道に誘って汗を流して仕事に戻る。

 しかし、恋人がいた時の習慣は変わらない。思わずしてしまう携帯電話の着信チェック。ミーティング中に、ミナミはその仕草を柚木ヨウコ(白石美帆)に指摘された。桜木邦夫(相島一之)と松井良英(原口あきまさ)も気づいていた様子。するとミナミは、同僚たちに明るさと平静さを保ちつつ、恋人にフラれたとあっさりと打ち明ける。そんなミナミを、通りかかった荻原智(瑛太)が見ていた。

 一方、勇也は新作マスカラのCM案をチェックしている荻原と田中ミズホ(りょう)に遭遇。CMに歌手の香月ミカ(相沢紗世)が起用されていると知って…。

 同僚たちには言ってしまったものの、ミナミは自分の未練たらしい所作に落胆していた。と、そこに神妙な面持ちの勇也が来る。勇也は「好きです」と真顔でミナミに告げた。もし、年下の勇也と付き合ったら…。ミナミの脳裏にすばやくよぎる勇也との未来予想図。結果、ミナミの口から出たのは「無理です」と、断りの言葉。ところが、勇也が「好きです」なのは、香月ミカのこと。つまり、勇也は大ファンであるミカのCM制作現場で働かせて欲しいと頼みに来たのだ。勘違いを悟ったミナミは、自分が書いたCMコピー『もう恋なんてしない』が目に入る。自分は『もう恋なんてしない』ではなく、いったいこの先、どうなっていくのか…。もしかすると『もう恋なんて出来ない』のでは? などとミナミは考えてしまう。

 その後、勇也は松井からミナミの失恋を聞かされた。試食品のお菓子を持った勇也は、ミナミを励ましに向かう。だが、様子を見ていた柚木は、渡辺ユリ(浅見れいな)に勇也の方法を非難。案の定、勇也はミナミに軽くあしらわれてしまう。直後に来たのは荻原。荻原は、仕事を称えることでミナミを勇気づける。そんな荻原を絶賛する柚木に、渡辺は働く女の気持ちが分からない男も、危うくて良いと告げた。

 新作マスカラのCM制作を前に、様々なミーティングが始まった。今岡響太郎(佐藤浩市)は、このCM制作では自分は後方支援に周り、ミナミ、田中、柚木をメインに進めることをスタッフたちに発表する。そんなミーティングに、ミナミは勇也を同行させた。

 そんなミーティングのひとつ、演出打ち合わせで、ミナミは超人気スタイリストで自らの憧れの女性、斉藤ノゾミ(秋本奈緒美)と会う。CM用のウェディングドレスを徹夜で作ったと微笑む斉藤だが、疲労のかけらも見せない。ミナミには、そんな斉藤から得ることがたくさんあった。

 なかなか制作の本筋に入らず、ミーティングばかりでお目当てのミカに会えない勇也はミナミに不満たらたら。その勇也に、松井が助けを求めに来る。新作ポテトチップスの試食を女子高校生にしてもらっているのだが、ギャル語が分からず四苦八苦していたのだ。勇也は、女子高校生たちの言葉を見事に同時通訳。その姿を見ていた荻原は、勇也をポテトチップスCMのプロジェクトに移すことを思いつき、ミナミにも断りを入れる。

 だが、勇也はこの異動が、ミカから自分を遠ざけるための荻原の策略だと渡辺から聞いてしまう。怒った勇也は、抗議しようと荻原を探していると、ミナミのもとにいるところを見つける。落ち着いた雰囲気で語り合う2人を見た勇也は、怒りの持って行き場を失ってしまう。

 今岡のマンションに帰った勇也は、紺野なつき(志田未来)に夕食作りの当番表を見せる。自分か今岡のどちらかが、交代で必ず早く帰って、なつきを一人にはしないと言うのだ。その頃、今岡は柚木と飲んでいた。柚木は、なつきを今岡の実家に預けることを提案。さらに、家庭にかまける男はクリエーターとしてのセンスがなくなると、今岡は痛いところを突かれてしまう。

 そんな時、ミカがCM案の変更を求めてきた。スタッフが戸惑う中、ミナミは進んで変更を請け負う。また、図書館で勇也に会ったミナミは、ポテトチップスのCM案を作ってみたらどうかとも薦めた。その夜、荻原は田中と会っていて…。

 ミナミは荻原とともに、ミカにCMの変更案を持っていく。自分の失恋体験を語って説明するミナミ。すると、荻原も自分の失恋談を話し始めた。おかげで、ミカの反応は良いものとなったが、帰り道、荻原は先ほどの自分の話は嘘だと平然と口にした。

 だが、今度はクライアントから衣装の変更依頼が来た。ミナミが報告すると、荻原はこのままでいくと強気。そんな荻原を誠意がないと責めるミナミ。すると、荻原はミナミに、真っ直ぐすぎるのは苦しくないかと問う。正攻法以外も身につけるべきと…。

 マンションに帰った今岡は、なつきからピアノを教えて欲しいと頼まれる。今岡が断ると、なつきは「たまには父親らしいことをしてください」と迫った。その言葉に、今岡は、「祖母のもとに行くか?」と、なつきに突きつけてしまう。

 ミカのCM制作当日。荻原の言うとおり、クライアントはミカのドレスに何一つ文句を言わなかった。会社に帰ると、ミナミは荻原の言う通りだったと礼をする。その時、ミナミは荻原の胸にネックレスを見つけた。それは、嘘だと言っていた荻原の失恋談に登場していた、荻原が好きな女性が身に着けていたというものだ。荻原は、今度は正直に詳細を話し、ネックレスをもらったとミナミに話す。さらに、自分の気持ちを素直に打ち明けようとした時、その女性は結婚していたと。ミナミも自分自身と向き合うために、メモを取っていると語る。と、荻原が少しだけ肩を貸して欲しいと、ミナミに寄り添った。傷ついた心を癒すかのように…。そんな二人を勇也が見てしまう。

サプリ 第1話 「15秒、恋の瞬間」 あらすじ

2006年、東京。臨海部を走る、ゆりかもめで移動中の藤井ミナミ(伊東美咲)は、仕事に疲れて爆睡中。そんなミナミは、携帯電話の着信メロディーで安眠を妨げられる。目を開けると、すぐ側のシートに携帯が落ちていて、持ち主はいない。仕方なくミナミが電話に出ると、男の声。携帯を落として困っているという男は、図々しくもバイトの面接があるので、ミナミに電話を持ってきて欲しいと頼んでくる。ミナミとて、次の仕事が待っていた。図々しい男を遮ったミナミは、下車駅の落し物預かり所に携帯を届けて先を急ぐ。

 駅を出て、会社に向かう途中、オーロラビジョンに映し出される懐かしいCMを見たミナミは、インスタントカメラを取り出して撮影。と、そのCMに、一人の男が気付いたのをミナミは感じた。駅に向かうその男こそ、携帯を届けて欲しいと電話した、石田勇也(亀梨和也)だったのだが…。

 携帯を取り戻した勇也は、今岡響太郎(佐藤浩市)に面接に遅れると電話。今岡は、遅れたら謝れと勇也を励まして電話を切る。広告会社クリエイトエージェンシーのクリエイティブディレクター・今岡は、折りしもクライアントの保険会社にいた。そこに飛び込んできたのがミナミ。ミナミは今岡と同じ会社のCMプランナー。この日は、マーケティング担当の桜木邦夫(相島一之)、そして営業の荻原智(瑛太)と保険会社のCMオリエンテーションに来たのだ。

 その頃、勇也は…バイト先の広告会社に着いて、デスクの渡辺ユリ(浅見れいな)にいきなり各部所を案内され、CMについてのレクチャーを受けていた。ちょうど、オリエンテーションから帰ったミナミが、今岡たちとCMのプランをたてているとも知らずに…。

 オフィスに戻ったミナミのもとに、勇也が郵便物を届けに来る。勇也の顔も見ずに受け取り、バイク便出しを頼むミナミ。ミナミが、勇也と街で会ったこと、そしてゆりかもめに忘れられた携帯の持ち主と気づくまで、15秒。それは、勇也の携帯が着信し、メロディーが流れた瞬間だった。

 勇也が、コピーライターの柚木ヨウコ(白石美帆)から仕事の流れを教わっているところに今岡がやって来て、柚木に勇也は自分の知り合いだと告げる。その最中にも、スタッフたちから細々とした雑用を頼まれる勇也。コピーライターの松井良英(原口あきまさ)に捕まった勇也は、着ぐるみを着させられ彼が考えたCMの振り付けを踊らされる羽目に。ひと踊りして逃げ出そうとした勇也は、偶然ミナミとぶつかった。

 勇也は、携帯の礼を言いつつミナミに仕事の愚痴をこぼす。軽口を叩く勇也を遮り、ミナミは冷静に仕事を頼む。憮然とする勇也はそんなミナミに反発、仕事を放って帰ってしまう。ミナミは今岡に勇也を辞めさせるべきと猛抗議するが、今岡と勇也の意外なつながりを聞かされた。

 その頃、荻原は同じ営業の先輩・田中ミズホ(りょう)から、ミナミの職場の厳しさを教えられていた。そして、何かを思い出すように懐かしむ荻原は…。

 ミナミには、約4年間交際している恋人がいる。だが、最近は仕事が忙しくて会うことが出来ない。恋人に甘えてしまう自分に、ミナミも気づいているが…。

 一方、仕事を放って友人とサーフィンを満喫した勇也がアパートに帰ると荷物が外に出ている。勇也は、アパートが取り壊しになることを忘れていたのだ。行くあてのない勇也は、今岡のマンションへ。チャイムに応じた今岡は、勇也の出現にビックリ。勇也は、今岡に“女”がいることを知る。

 翌日、出社した今岡は、勇也に一緒に住まわせるつもりはないと断言。そこに、柚木が来た。勇也は、今岡の“女”が柚木であることを知る。社内恋愛を公言しないことを条件に、今岡は渋々、勇也を同居させることに。

 そんな時、勇也はミズホからミナミへの伝言を頼まれる。勇也は、頼まれごとをメモしてミズホのデスクに貼るのだが…。

 勇也を同居させることにした今岡に、さらに同居人が増えることに。別れた妻が、娘のなつき(志田未来)を預けに来たのだ。

 次の日、勇也は仕事をさぼってサーフィンに行ってしまう。しかし、その時、会社で問題が発生。ミズホからの伝言がミナミに伝わっていなかったため、仕事が支障をきたしたのだ。荻原からの連絡で、事情を知った勇也は、急いで会社に行くのだが、ミナミには冷たくあしらわれてしまう。そのミナミは、仕事のフォローに追われて、恋人との約束が果たせなかった。深夜遅くに、マンションに帰ったミナミは恋人の置き土産を見つける。そこには、別れを示したメモも添えてあった。涙があふれ出るミナミ。

 そんなミナミに、あるいはスタッフに今岡から深夜の召集がかかる。保険会社へのプレゼン案を作り直すというのだ。勇也は、ミナミを手伝おうとするのだが、またしても断られる。すると、勇也はミナミに「藤井さんは、一人が好きなんだよ」と、キツイ言葉を吐いてしまう。

 ミナミは仲間たちと徹夜で完成させたプレゼン案を持ってクライアントを訪ねる。しかし、プレゼンの受けは良かったのだが、CMは他社に奪われてしまった。勇也もガッカリな出来事だったが、ミナミは次の仕事に向き合っている。そんなミナミが理解できない勇也。だが、ミナミがCMの仕事に打ち込む理由や、恋人と別れた話などを聞くうちに…。