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あらすじ 第9話(最終回) レガッタ 2006年 7−9月 朝日 連続ドラマ
レガッタ 第9話(最終回) あらすじ
ナショナルチームの強化合宿に参加した大沢(速水もこみち)と八木(松田翔太)は、生き残りを賭けた過酷な練習で疲弊しながらも、日に日に成長。次に控えたワールドカップの選考で、強豪たちがどんどん脱落していく中、滝(山本太郎)、梶原(三田村瞬)と共にダブルスカル代表の最終候補に選ばれた。龍王大漕艇部に囲まれ、喜びにひたる大沢。その傍らで、八木は「あまり調子に乗らない方がいい」と、いつものように冷静を保っていた。
その頃、千香子(若槻千夏)はイージーオールを訪れ、バイトを辞めたいと申し出ていた。自分が店にいたら大沢が来られない、と言う千香子。その理由を聞いたマスター(ブラザートム)は「違う関係を作り上げるのも悪くない」とアドバイスするのだった。
翌日、大沢と八木の必勝を祈願する飲み会が、イージーオールで開かれた。大沢の姿を見た千香子は一瞬動揺しながらも、精一杯の笑顔を作って迎える。大沢と八木の健闘を祝い、盛り上がる面々。そこへ、滝と共に店にいた梶原が、祝賀ムードに水を差した。「この程度で浮かれてるような奴らなら、楽勝だな」。その挑発が発端となり、大沢と梶原は一触即発の状態になるが、滝が仲裁に入ったことで大事には至らずに済んだ。
飲み会で酔っ払った八木は、大沢と共に龍王大漕艇部の合宿所に戻った。ダブルスカルの代表は自分と大沢で決まりだ——いつもの彼らしくない大口を叩く八木。その姿を見た操(相武紗季)はやや心配になるが、大沢に「ここまで来れば、やっぱり嬉しいんだろ」と言われ、納得するのだった。
やがて大沢と八木は、滝・梶原ペアと一騎打ちのチャンスを得た。勝負を決める覚悟で挑んだ大沢と八木は、滝と梶原に追い上げる。さらに加速した大沢らは、ついに倉田(窪塚俊介)が見たという“風の向こう側”へ! ところが、その瞬間、八木に異変が発生した。激痛に顔を歪めて動けなくなった八木は、そのまま病院へ運ばれる。動揺する大沢に告げられたのは、八木が椎間板ヘルニアを患っていること、おそらくずいぶん前から痛みがあったことだった。八木は1シーズン、あるいは2シーズンを棒に振ることになるという。つまり、選手としての道は閉ざされたのも同然だというのだ。ショックから言葉も出ない大沢。そこへ梶原が心無い言葉を言い放った。「元気だせよ。ライバルが1人減ったんだから」。カッとなった大沢は、梶原に殴りかかるのだった。
八木が選手生命の危機に陥ったことで、大沢は自分を責めていた。「最低だよな、俺。倉田(窪塚俊介)と八木、2人の人間を潰して…」。そんな大沢に操は「しょうがないよ。これが勝負の世界なんだよ」と諭す。わかっていても納得できない大沢。そんな彼の甘えを、操は激しく指摘する。「誠はオールを握れるじゃない! 八木くんはもう漕げないかもしれないんだよ!」。大沢はその場を走り去り、艇庫でひとり涙を流すのだった。
やがて、大沢は意を決し、八木の病室へと向かった。八木の故障は自分のせいだ——。責任を痛感していた大沢は、何度も八木に頭を下げる。そんな大沢に、八木は「ありがとうございます」と礼を述べた。八木は大沢と一緒に漕いでいなかったら“風の向こう側”を見られなかったと言い、その先にあるもう1つの世界を見てきてほしいと頼むのだった。
倉田と八木のためにも、ストロークとして世界を目指す決意をした大沢は、さらなる過酷な練習を開始。やがて、滝と共にオリンピックのダブルスカル代表の座を勝ち取った! もちろん、ストロークの座も…。それは倉田が亡くなってから、4度目の夏の出来事だった。<終>
あらすじ 第8話 レガッタ 2006年 7−9月 朝日 連続ドラマ
レガッタ 第8話 あらすじ
滝(山本太郎)のもとで練習をしていた大沢(速水もこみち)のボートが転覆。意識を失って救急車で運ばれた。八木(松田翔太)から連絡を受けた操(相武紗季)は、慌てて彼らのいる宮城へ向かう。滝の実家に到着した操は、香奈子(黒川智花)に案内され、大沢のいる部屋へ。ところが、大沢は運ばれた病院で点滴を打ち、すでに復活していた。転覆直前までハードな練習を重ねていた大沢は、もう少しで“風の向こう側”が見えそうだったと話す。ホッと胸をなでおろしながらも、「倉田(窪塚俊介)くんが“風の向こう側”を見たなんて言わなければ、誠に無茶させることもなかったのに…」と、自分を責める操。そして、大沢に「倉田くんが死んだのは誠のせいじゃないよ」と打ち明けた。「私も気付いてなかった気持ちに、きっと倉田くんは気付いてたんだよね…。私、誠のことが好き。たぶん、もうずっと前から…」。突然の告白に対する大沢の答えは、こうだった。倉田の死の責任は2人で背負っていかなければいけない。今の俺にできるのは漕ぐことだけだ——。改めて、倉田と操と3人の夢だったオリンピック出場を果たすと誓った大沢は、練習を再開するのだった。
その直後、操の携帯に千香子(若槻千夏)から電話がかかってきた。イージーオールのマスター(ブラザートム)に教えてもらって作ったピザを試食してほしい、というのだ。「ごめん、いま実家に帰ってきてるの」——咄嗟に嘘をついてしまった操は、心を痛める。
一方、八木のことを好きになった滝の妹・香奈子(黒川智花)は、積極的なアプローチを続けていた。最初はそのストレートさに戸惑っていた八木だが、次第に心が解きほぐされていく。
夜が明け、操は合宿所へ戻ることになった。駅に駆け付けた大沢は、操に改めて「必ずオリンピックに出て金メダルを取る」と誓い、「それまで待っていてほしい」と告げる。そんな彼の決意を、操は静かに受け入れるのだった。
合宿所へ戻った操は意を決し、千香子(若槻千夏)に会いに行く。どこに行っていたのか問い詰められ、正直に「誠に会いに行っていた」と答える操。その瞬間、千香子の手が操の頬をピシャリと打った! 大沢とはただの幼馴染だと言い続けていた操を、責める千香子。「信じようと思ってたのに…最低!」——昂った感情を抑えられず、千香子はその場を走り去るのだった。
大沢と八木が滝のもとを去る日がやって来た。2人を見送った後、香奈子は滝に「もしかして、ものすごいライバルが現れちゃった?」と尋ねる。それは、他でもない大沢のことだった。大沢が滞在中、かつて滝ですら使いこなすのに苦労した特別なオールを、最初から余裕で使っていたからだ。答えをはぐらかす滝だが、その心中は複雑だった。
合宿所に到着した大沢と八木は、高村監督(山下真司)に「全日本の強化合宿メンバーに選手登録しようと思う」と告げた。八木と2人でどうしてもオリンピックに出たい、と言う大沢。「まずはインカレだ」——高村は、力強く二人を励ますのだった。
その夜、大沢から操への想いを直接聞いた千香子は、別れ話を切り出した。これまで支えてくれた千香子に礼を言う大沢。「だったら、インカレは絶対に優勝すること!」——身を切るような辛さを抑え、千香子は大沢を送り出すのだった。
遂にインカレの日が訪れ、大沢と八木のペアは見事優勝した。漕艇部の面々が盛り上がる中、高村は2人が全日本の強化合宿メンバーに登録することを承諾。やがて、大沢と八木は全日本の選考強化合宿へ。新たな挑戦の日々が始まった!
あらすじ 第7話 レガッタ 2006年 7−9月 朝日 連続ドラマ
レガッタ 第7話 あらすじ
大沢(速水もこみち)は自ら仕掛けた滝(山本太郎)とのレースで、敗北しただけでなく、足の筋肉に大きなダメージを受けてしまった。高村(山下真司)や淳子(伊藤裕子)は大沢をたしなめるが、滝はむしろ「楽しませてもらった」と上機嫌。さらに、「ここでやっているより、風の向こう側に行ける確率が高い」と、大沢を自分の地元である宮城へと誘った。「ただし、潰れてもいいという覚悟なら」——その言葉に不安を感じつつも、大沢は強く惹かれる。滝とのレース中に、風の向こう側のすぐ手前にいることを感じていたからだ。しかし、高村からは「宮城に行くなら、退部届を出せ」と、釘を刺されてしまう。
部屋へ戻った大沢は、退部届を書くべきか迷っていた。そこへ、操(相武紗季)が現れた。最高のペアになろうと必死な八木(松田翔太)を裏切って平気なのか、と責める操。「もし平気なら、ボートに乗る資格はない」と言われた大沢は、宮城には行かないと約束する。
その直後、大沢は食堂でビデオに見入る八木を見かけた。八木が見ていたのは、大沢と倉田(窪塚俊介)のダブルスカルの映像だった。大沢と最高のペアになるため、倉田の漕ぎを研究していたのだ。それを知った大沢は、思わず声を荒げた。「誰がお前に倉田の代わりになれと言った!? お前は、お前の漕ぎをやればいいんだよ!」。
翌日、イージーオールに千香子(若槻千夏)の兄・真之介(東幹久)がやって来た。最近元気のない妹を心配し、様子を見に来たのだ。しかし、千香子は買い出しで不在。真之介のいたたまれない気持ちを聞いたマスター(ブラザートム)は、大沢のもとへ。千香子をフッたことで加害者面をする大沢を責める。「女にもボートにもちゃんと向き合え」——マスターの言葉は、大沢の心に深く突き刺さるのだった。
苛立った様子で、合宿所を出ていく大沢を見た操は、思わず後を追いかけた。大沢が振り払うのも構わず、どこまでもついて行く操。デートのために街中で操をずっと待っていた八木は、そんな2人の姿を偶然目撃してしまう。
合宿所に帰ってきた大沢は、操に本心を打ち明けた。倉田との約束を果たすためにも、倉田に勝つためにも、オリンピックに行くしかない。しかし、滝のもとへ行けば体も自信もダメになってしまうかもしれない。それを怖がっている自分に腹が立ったのだ、と——。その時、大沢の心の叫びに操が反応した。「もう倉田くんを追いかけるのはやめて! 誠までがダメになったら、私耐えられないよ!」。
そのやりとりを陰で見ていた八木は、操の大沢への気持ちを感じ取ってしまうのだった。
携帯電話の不在着信を見て、デートをすっぽかしてしまったことに気付いた操は、練習中の八木のもとへ。謝る操を制し、八木は「ボートでは大沢さんに負けませんから」と言い、操に辛い別れを告げるのだった…。
その頃、大沢は倉田との出会いや、操の言葉を思い出しながら、ボートを漕ぎ続ける決意をしていた。1週間だけ滝のいる宮城へ行こうと決断した大沢は、「インカレには間に合うように帰ってくるから、時間をくれ」と、八木に切り出す。確固たるパートナーとしての意識が芽生えていた八木は、大沢に同伴を申し出るのだった。そして2人は操に置手紙を残して、滝のいる宮城の長沼へ…。
翌日、買い物に出かけた操は偶然、千香子と出くわした。大沢が内緒で長沼に行ったこと知った千香子は、脈絡もなく操に問いかけた。「みーちゃんはマー君のこと好き?」。言葉に詰まる操。千香子は冗談だと言ってその場を去るが、本当は真剣な質問だった。
一方の大沢と八木は、滝とその妹・香奈子(黒川智花)が暮らす家に居候しながら、トレーニングをすることになった。滝が課す過酷な練習を、フラフラになりながらこなす2人。そんな中、力尽きた大沢のボートが転覆して…!
あらすじ 第6話 レガッタ 2006年 7−9月 朝日 連続ドラマ
レガッタ 第6話 あらすじ
操(相武紗季)をめぐっての一件で打ちひしがれた大沢(速水もこみち)は、千香子(若槻千夏)の部屋へ。事情も話さず突然やって来た大沢を、千香子は優しく迎える。その対応にいたたまれなくなった大沢は「ボートに専念したい」と嘘をつき、別れ話を切り出す。「男がそういうこと言う時って、絶対他に好きな子ができた時なんだよね」——大沢の嘘を見透かしながらも、明るく振舞う千香子だが、その心は深く傷ついていた。そして、千香子の部屋を後にした大沢もまた、辛い気持ちでいっぱいだった。
数日後、インカレに出場するクルーが発表された。ダブルスカルで行くことになった大沢と八木(松田翔太)に、高村監督(山下真司)は「練習結果を見てポジションを決める」と告げる。どちらが良いポジションを奪うのか、大沢と八木の闘志に火がつく。ちょうどその頃、全日本の滝(山本太郎)は全日本の合宿のため、大沢たちがいつも練習している漕艇場を使っていた。食うか食われるかの世界で闘っている滝は、自分の実力を過信する大沢を一喝。その気迫に圧倒された大沢は、自分の甘さを痛感せずにはいられなかった。
そんなある日、操が熱を出して倒れた!懸命に看病しながらも、練習量を減らすことのない八木を見た大沢は、ますます自分のボートに対する甘い姿勢を実感。彼の足は自然と、実家へと向かった。力なく「こんなんじゃ、オリンピックなんて無理だよな」と吐露する息子を、父・明彦(山崎一)と母・典子(高橋ひとみ)は叱咤激励する。両親の温かさによって背中を押された大沢は、合宿所へ戻るや、黙々とトレーニングに励むのだった。
やがて、高村からポジションが発表された。大沢がバウで、八木がストロークだという。納得の行かない大沢は、ストロークの座を奪回すべく、さらなる闘志を燃やす。必死に練習する大沢。そんな彼のもとへ、千香子が弁当を持って現れた。気まずさを感じた大沢は、まともな対応もせず、ボートを漕ぎ始める。千香子が去った後、託された弁当を大沢に手渡す八木。しかし、大沢は「お前にやるよ。黙ってればわからない」と言い放つ。八木に最低だと責められる大沢だが、そんなことは自分がいちばんわかっていた…。
一方、看病してくれた八木の優しさに触れた操は、八木からのデートの誘いを受け入れる。どんどん距離を縮めていく2人を、大沢は自分の気持ちを抑えながら応援するのだった。
デートの帰り、八木と共にイージーオールに立ち寄った操は、無理に明るく振舞う千香子の異変に気付く。事情を話す千香子に、操は「誠はオリンピックへ行く約束を果たすため、焦っているだけだと思う。誠にはチーコちゃんが必要だよ」と言い、もっと自信を持つよう勇気づける。その後、大沢のもとを訪れた操は、いちばん辛い時に支えてくれた千香子に対して彼がとった言動を責める。大沢は何も答えず、ただ練習を繰り返すのだった。
最近過度の練習に身を投じている大沢のことを心配した高村は、休みを取るよう命じる。しかし、大沢は「倉田(窪塚俊介)に勝つには、命を賭けるしかない」と言い、ボートに乗り込む。コースでは、滝ら全日本のメンバーが練習をしていた。ゴール地点にいた滝のボートに近づいていく大沢。遠くから見ていた八木は、大沢が勝手に滝とレースをするつもりでは…と懸念する。その読みは的中した! 大沢の乗ったボートは、滝のボートとぴったり並んだ。顔を見合わせる大沢と滝。その次の瞬間——。
2人の乗ったボートは同時に、勢いよくスタートを切った!
あらすじ 第5話 レガッタ 2006年 7−9月 朝日 連続ドラマ
レガッタ 第5話 あらすじ
八木(松田翔太)が操(相武紗季)に思いを打ち明けたことで、2人の関係はぎこちなくなり始めていた。そんな事情など知るよしもない千香子(若槻千夏)は「最近ますますいい感じ」と、2人を微笑ましく見守る。しかし、大沢(速水もこみち)はその言葉に素直にうなずけないでいた。
休日。運転免許を取ったばかりの千香子は、大沢と共に海までドライブすることに。その道中で2人は、買い物に行った店で偶然一緒になったという操と八木に出くわした。操と八木を合宿所まで送り届けることになったが、千香子が間違って高速道路に進入。4人でそのままキャンプ場へ行くことになった。はしゃぐ千香子だが、仲良くじゃれ合う大沢と操を見るにつけ、嫉妬心に駆られてしまう。八木も同様に、複雑な想いで2人の様子を見ていた。そんな中、操への想いがこみ上げてくる大沢。しかし同時に、操の心に今も鮮明に残る倉田(窪塚俊介)の存在を強く思い知らされる。どんなことをしようと自分ではダメなんだ——そう再認識した大沢は、つい心にもない言葉を操に放ってしまった。
「ヒツジ(=八木)と付き合っちゃえよ」。
同じ頃、高村監督(山下真司)のもとを、ナショナルチームのメディカルコーチ・望月淳子(伊藤裕子)が訪れていた。大沢をナショナルチームのメンバーとして正式にスカウトしたい、と告げる淳子。ところが、高村は「大沢のためだ」と言ってその申し出を断った。大沢の体はまだ完成されていない。その彼がいまナショナルチームに入ったら、ハードなトレーニングで潰されてしまう——高村はそう懸念していた。なぜなら彼は、実際にそういう目に遭った人物を知っていたからだ。その人物こそ、高村の先輩であった春子(宮崎美子)の夫に他ならなかった…。
キャンプ場での一件以来、大沢と操の間には明らかに距離が生じていた。一方、大沢と操の仲睦まじさを目の当たりにした千香子は、大沢の自分に対する気持ちに疑いを持ち始めていた。「チーコのことをちゃんと見てくれなければ、近くにいても同じこと」と核心を衝かれた大沢は、言葉を失ってしまう。もちろん、操に想いを寄せる八木の心中も穏やかではなかった。そんな心模様が、大沢とのボート練習に影響を与えないはずがない。タイムも伸びず、呼吸もバラバラ。大沢への態度も、ついとげとげしくなってしまうのだった。
中途半端な友達ごっこはやめると心に誓った大沢は、操との距離をさらに取り始めた。そんな大沢に、「八木と付き合え」と言った理由を問い詰める操。大沢の独り善がりな言動に怒る彼女に、大沢は吐き捨てるように言い放つ。
「もう、お前も倉田も全部面倒くせえんだよ!」。
その時、2人のやりとりを陰から見ていた八木が、たまらず姿を見せた。「周りの人間を片っ端から傷つけて、あんた一体何がしたいんだ!」——大沢のことを卑怯だと責める八木。大沢は返す言葉もなかった…。
傷ついて走り去った操を追いかけ、八木は艇庫へ。必死で笑顔を見せようとする操を、思わず抱き締める。「俺じゃダメですか?」と問いかけ、操がちゃんと笑えるように守ると宣言する八木。その言葉を受け、操の目から涙が溢れ出した。そして、操は八木のキスをそっと受け入れるのだった…。
一方、八木と操が去った後、打ちひしがれた大沢は、千香子のもとを訪れ…。
あらすじ 第4話 レガッタ 2006年 7−9月 朝日 連続ドラマ
レガッタ 第4話 あらすじ
「私たち、もう昔に戻っちゃいけないんだよ」——改めて操(相武紗季)からそう告げられた大沢(速水もこみち)は、どうやっても倉田(窪塚俊介)には勝てないことを思い知らされてしまう。一方、八木(松田翔太)は、密かに操への恋心を抱いていた。それぞれの秘めたる想いは、水面下で渦巻いていく…。
そんな中、龍王大漕艇部はきたる対校試合に向けて、日々練習に汗を流していた。当初は最悪だった大沢と八木の関係も、日に日に改善。案外、いいペアになるかもしれない——龍王大漕艇部の面々は、期待に胸を膨らませるのだった。
そんな矢先、このところオーバーワークを続けていた八木が肉離れを起こし、全治1週間と診断されてしまった! 八木を励ましながら、サポートし続ける操。八木の中で、操への恋心が次第に大きくなっていくのだった。千香子(若槻千夏)は、その変化をいち早く察知。八木の存在が、倉田の死で生じた操の傷を癒すことを心から願う。が、その時まだ千香子は、部員たちの前で披露した大沢との馴れ初め話を、操が複雑な気持ちで聞いていたことには気付いていなかった。そして、もちろん大沢の中でずっと押さえつけられている操への想いにも…。
操が食堂で八木のためのリハビリ・メニューを考えていると、八木が現れた。豪快な大沢にうまく呼吸を合わせていた倉田の漕ぎを研究するため、大沢と倉田が漕いでいた時のビデオを見せてほしいという。ビデオを見ながら「大沢さんと漕いでいた時、急にオールが軽くなった」と話す八木。隣の操は、八木の言葉を静かに聞いていた。そんな2人を、通りかかった大沢が目撃。大沢の中で「昔には戻っちゃいけない」という操の言葉が響くのだった。
そんなある日、大沢がコースで練習をしていると、前回のオリンピック代表選手で、全日本メンバーの滝大輔(山本太郎)が現れた! 滝は姿を見せるなり、大沢にレースをしようと持ちかける。有無を言わせずスタートした滝につられ、大沢もオールを漕ぎ出した。滝のスピードに必死でついて行きながら、気持ちよさそうな表情を見せる大沢。
その様子を、操と千香子、部員たちは興奮気味に見守っていた。その時、以前から大沢の周辺をうろついていた謎の女・望月淳子(伊藤裕子)が姿を見せた。なんと淳子はナショナルチームのメディカルコーチで、大沢の才能が世界に通用するか確かめるべく、滝とぶつけてみたという。滝に勝てるわけがないという淳子の横で、操は大沢勝利の可能性に希望を託していた。
大沢と滝のレースは続いていた。スピードを上げる大沢が苦しい表情を見せる。…とその時、滝が急に漕ぐのを止めた。「楽しかったよ」と言って、去っていく滝。あまりにも不意の出来事に、大沢も部員たちも唖然とするのだった。
一方の滝は帰り道で、期待以上だった大沢の力を讃えつつ、「まだ大沢には見えてない」と話す。そこへ操がやって来た。「“風の向こう側”ですか? もしそれが見えたら、オリンピックに行けますか?」。その問いに対する滝の答えは、イエスだった。おそらく金メダルも取れると話す滝。その言葉に胸躍らせ、操はすぐに大沢のもとへ。「スピードを上げた瞬間に水が重く感じた」という大沢に、それが“風の向こう側”の入り口であることを話す。そこへ入る時は苦しいが、抜ければ滅多に見ることのできないもうひとつの世界がある——それは他でもない倉田の言葉だった。操の話によると、一度だけ入り口まで行ったことのある倉田は、大沢と共に“風の向こう側”へ行きたいと願っていたらしい。
回復の兆しが見えてきた八木は、操の指導のもと、少しずつ練習を開始。やがて操への想いを抑えられなくなった八木は、思わず抱き締めてしまう。咄嗟に突き放す操。好きな人がいるのか、との問いに動揺した操は「ごめん」とだけ言い残し、走り去るのだった。
あらすじ 第3話 レガッタ 2006年 7−9月 朝日 連続ドラマ
レガッタ 第3話 あらすじ
間近に迫った対抗試合のエントリー選手が発表された。大沢(速水もこみち)とダブルスカルを組むことになった八木(松田翔太)は、納得が行かず猛抗議。しかし、監督の高村(山下真司)は聞く耳を持たず、同じ艇のクルーは同じ部屋で暮らすというルールにのっとり、八木に大沢の部屋へ移るよう命じる。
不満の募る八木に対し、大沢は「世界の舞台で勝つためには、ダブルで行くしかない。ウマが合うかどうかは関係ない」と言い、対抗試合に留まらない闘志を燃やす。
翌日から大沢と八木は練習を始めた。「いつか、あんたを叩きのめす」と宣言し、大沢への対抗意識をあらわにする八木。息がまったく合わない2人は、合宿生活でもボート練習でもことごとくぶつかり、部員たちに不安を抱かせる。
そんな中、千香子(若槻千夏)が「イージーオール」でアルバイトを始めた。手探り状態の中で、必死に大沢の力になろうとする千香子は、夜遅くに「イージーオール」を訪れた大沢たちにピザをサービス。ところが、そこへ再び現れた謎の美女・望月淳子(伊藤裕子)に「夜10時以降は脂っこいものは控えなきゃダメ」とダメ出しされてしまう。大沢に付きまとう正体不明の女性の出現に、千香子の心中は穏やかではなかった。
その頃、八木は高村のもとを訪れていた。大沢とダブルを組むことに限界を感じた八木は、自分をシングルでエントリーし直してほしい、と懇願する。しかし「大沢と組んで損はない」と言い、八木の申し出を断る高村。そのやりとりを横で見ていた操(相武紗季)は八木に「国際試合まで視野に入れるなら、ダブルでやった方がいい」とアドバイスする。八木は不機嫌そうに「大沢も同じことを言っていた」と言い残し、部屋を出る。そう言われた操の心に、もうひとつ引っかかるものがあった。倉田(窪塚俊介)と自分を賭けてレースをしたという大沢から「もう昔みたいには戻れない」と言われて以来、大沢とぎくしゃくしていた操は心を痛めていたのだ。
そんな悩みを抱えながらイージーオールを訪れた操は、大沢とばったり遭遇。ふたりの微妙な空気に気付いたマスター(ブラザートム)は、操が去った後、大沢に事情を問いただす。「操のために“もう昔みたいにはなれない”と言い放った」という大沢に、「お前のためだろ」と指摘するマスター。「いいな。ひとりだけ楽になっちゃって」——その言葉は大沢の胸に突き刺さるのだった…。
数日後、ある事実が発覚した! マネージャーの仕事に身が入らないでいた操が対校試合のエントリー書類を提出し忘れていたのだ。部員たちが憤慨する中、八木だけが「たかが親善試合なんだから、別にいい」と発言。大沢は八木が操をかばったと思って見直すが、「どうせ試合に出ても勝てっこない」と言い放つ八木に激怒し、思わず殴りかかる。
その足で大沢は、エントリーを認めてもらおうと、対校試合の幹事を務める鳳凰大学漕艇部へ。そこで八木も同じように頼みに来ていたことを知った大沢は、八木に謝るのだった。エントリーの許可は下りなかったが、この一件で大沢と八木のわだかまりは緩和。練習でも息がぴったり合うように…。
そんな矢先、対校試合のエントリーが許可された! 操は大喜びしながら、鳳凰大まで掛け合いに行った大沢にお礼を言う。ようやく笑顔が戻った操に、大沢は自分のことだけを考えて無神経に倉田とのレースのいきさつを話したことを謝罪。そんな大沢に、操は「倉田に“大沢のことを好きかもしれない”と誤解させた自分も悪かった」と話す。「誠の言ってた通り。私たち、もう昔に戻っちゃいけないんだよ」——そう言って去って行く操。呆然となった大沢は、その場に取り残されるのだった…。
あらすじ 第2話 レガッタ 2006年 7−9月 朝日 連続ドラマ
レガッタ 第2話 あらすじ
大沢(速水もこみち)が1年ぶりにコースに現れ、ボートを漕ぎ始めた。大沢の復帰を待ちわびていた操(相武紗季)とキャプテン・乾(佐藤二朗)は、喜びを隠せない。
ところが、八木(松田翔太)は、大沢がボート部に戻ることに反対。そこへ、監督の高村(山下真司)がある提案をした。大沢と八木にレースをさせ、大沢が勝てば復帰を認めるという。しかし、それにはもうひとつの条件があった。万が一、大沢が負ければ正式に退部しなければならないというのだ。高村が提示したレースまでの準備期間は1カ月。ところが、部員たちの冷やかしについカッとなった大沢は自ら、その準備期間を1週間に縮めてしまう。部員たちはたった1週間で大沢が勝つのは無理とにらむが、大沢には動じる様子がまるでなかった。勝敗の行方はわからない。が、どうなるにしろ、とにかく部へ戻る気になってくれた大沢に、操はお礼を言う。「倉田くん、きっと喜んでると思うよ」——操の言葉に、複雑な心境に陥る大沢。そんな彼の脳裏に、操を賭けて倉田とレースをした日のことがよぎった。このままではいけない、倉田(窪塚俊介)と3人で交わした「オリンピックへ行く」という夢を自分が果たす——決意も新たに、大沢は復帰を賭けたレースに向けて練習に励むのだった。
八木との勝負に向け練習にいそしむ大沢。少しでも彼の力になりたいと願う千香子(若槻千夏)は、操にマネージャーの仕事を教えてほしいと申し出た。大沢のために一生懸命マネージャーの仕事を覚えようとする千香子を見て、操は思わず「好きな人と新しい想い出をいっぱい作れて、うらやましい」と漏らす。恋人だった倉田の死について話し始める操。「マー君のことを許してほしい」と頭を下げる千香子に、操は「誰が悪いんでもない」と言い、すべてを吹っ切るかのように微笑むのだった。その頃、大沢の前に謎の女性・望月淳子(伊藤裕子)が現れた。淳子は名を名乗りもせず、大沢の筋肉をチェックし、写真を撮って去って行く。
やがて大沢の復帰を賭けた運命のレースが翌日に迫り、八木は通常以上のトレーニングに身を捧げていた。夜食を持ってきた操に、八木は大沢のことを許せないと話す。大沢と倉田に憧れて龍王大に入ったという八木。憧れていたからこそ許せないという八木の思いに、操は静かに耳を傾けるのだった。その後、大沢のもとを訪れた操は、エールを送った。「頑張ってね。八木くんに勝たなきゃ、倉田くんとの約束は果たせないんだから」。
そして迎えたレース当日。スタートからハイペースで飛ばし、八木を引き離す大沢。しかし、やがて体力が尽きてきた大沢を、八木が抜いた。その時だった。大沢の耳に懐かしい声が響いた! 「どうしてそうやって力まかせに漕ぐんだよ」——それは倉田の声だった。倉田の掛け声に合わせ、オールを漕ぐ大沢に力がみなぎってきた。つい先ほどまでの苦しい表情から一転、笑顔が広がる大沢。そして…再びピッチを上げた大沢が、八木に追いついた! ゴールまであとわずか、デッドヒートを繰り広げるふたり。そんな中、ゴールの声が響いた。結果は…僅差で大沢の負け。たまらず大沢は高村のもとへ駆け寄って土下座し、もう一度チャンスを欲しいと請う。高村に断られても諦められず、部員たちにも土下座する大沢。それを見た八木が、大沢の復帰を認めた。こうして大沢は1年のブランクを経て、龍王大漕艇部に戻ってくることになった!
やがて大沢は、倉田とレースを敢行した理由を操に明かすことを決意した。倉田から操を賭けて勝負しろと言われて応じたことを告白する大沢。「お前を賭けたんだ…。だから、俺たち、昔に戻れねぇんだよ…戻っちゃいけないんだよ…」——その言葉を聞いた操は、言葉を失ってしまうのだった…。
あらすじ 第1話 レガッタ 2006年 7−9月 朝日 連続ドラマ
レガッタ 第1話 あらすじ
2004年夏——。龍王大学漕艇部の大沢(速水もこみち)と倉田(窪塚俊介)は、ダブルスカルでインカレを制覇。馬力の大沢と頭脳の倉田——将来を期待された名コンビは、倉田の恋人でマネージャーの操(相武紗季)と共に、「3人でオリンピックに行こう!」と熱い約束を交わすのだった。
ところが、希望に満ちた3人の日々は突然、終わりを告げた。ある日、大沢と倉田は暴風雨の中でふたりきり、ボートレースを敢行。その最中に倉田が事故死してしまう。悪環境の中でなぜレースをしなければならなかったのか…。責任を感じた大沢は、その理由を誰にも明かすことなく、ボートの世界から姿を消した。
大沢がボート部に来なくなって1年が過ぎた2006年春——。大沢と倉田の“伝説のダブルスカル”消滅以降、龍王大漕艇部は思うように成績を出せないままでいた。焦りを隠せない八木(松田翔太)を筆頭に、部員たちの雰囲気も日に日に悪くなっていく。一方、千香子(若槻千夏)と同棲しながら、ボートとは無縁の茫漠とした日々を送っていた大沢は、今も倉田を死なせた罪の意識に苛まれていた…。
そんな中、大沢の復帰を望むキャプテン・乾(佐藤二朗)は、キャンパス内で出くわした大沢に、ボート部に戻ってくるよう頭を下げる。その現場を見た八木は、倉田を死に至らせた大沢を責め、「ボート部には必要ない」と言い放つのだった。
やがて倉田の一周忌がやって来た。久しぶりに艇庫を訪れ、倉田が愛用していたオールを見つめる大沢。そこへ、操が現れた。「戻ってくるよね? ボート部に。そろそろ立ち直っていい頃だよ」。倉田の死は事故だから、これ以上責任を感じる必要はないと諭す操。しかし、大沢はそんな操の言葉を遮る。「あれは事故なんかじゃねぇよ。俺があいつを殺したんだよ!」。二度とボートには乗らない——そう言い残し、大沢はその場を足早に去る。その後ろ姿を見送りながら、肩を落とす操。そんな彼女に、2人のやりとりを偶然見ていた八木は「伝説のダブルスカルは、もうどこにもいない」と追い討ちをかける。
その時、大沢の脳裏には、倉田とレースをした日のことが鮮やかに蘇っていた。「本気で操のことが好きなら、俺と勝負しろ」——運命を分けたあの日、操を賭けた勝負を挑んできた倉田の姿が…。そして大沢は再び、自責の念に駆られるのだった。
大沢の復帰を諦めきれない操は、彼が暮らす千香子の部屋へ向かった。大沢がボート部に所属していることを初めて知った千香子は、詳しい事情も知らず、大はしゃぎ。大沢は複雑な思いに駆られる。やがて大沢と2人きりで外へ出た操は、もう一度ボート部への復帰を懇願する。しかし、大沢は頑なに拒否。感情を抑えられなくなった操は、なぜ倉田とレースをしなければならなかったのか、“殺した”とはどういう意味なのか、大沢を問い詰める。そんな操の問いかけに、沈黙を通す大沢。しかし、彼の心は痛んでいた。ボートを漕ぎたい、倉田のように死ぬまで漕ぎたい——そう誰よりも強く望んでいるのは、大沢自身に他ならなかったのだ。
やり場のない想いにひっそりと涙を流す大沢を見てしまった千香子は翌日、強引に大沢をボートコースに連れて行く。そこで大沢が見たものは……不器用にオールを漕ぎながら転覆を繰り返す操の姿だった! その瞬間、大沢の中にボート、そして操への熱い想いがこみ上げてきた。やがて意を決した大沢は、漕艇部の艇庫へ。突然の出来事に驚く部員たちを尻目に、大沢はボートとオールを運び出した。コースへ出てゆっくりとボートを漕ぎ出した大沢。その姿を、操が笑顔で見守っていた。
レガッタ 第1話 予告
2004年夏。龍王大学漕艇部の大沢(速見もこみち)と倉田(窪塚俊介)は、ダブルスカルでインカレを制覇。将来を期待され前途洋洋のふたりは、倉田の恋人でマネージャーの操(相武紗季)と共に、「3人でオリンピックに行こう!」と熱い約束を交わす。
しかしある日、大沢と倉田は暴風雨の中でふたりきり、ボートレースを敢行。その最中に倉田が事故死してしまう。悪環境の中でなぜレースをしなければならなかったのか…。責任を感じた大沢は、その理由を明かすことなく、ボートの世界から身を引く。
時は流れ、2006年春。千香子(若槻千夏)と同棲しながら、茫漠とした日々を送っている大沢は、今も倉田を死なせた罪の意識に苛まれていた。そんな中でやって来た倉田の命日、久々に漕艇部を訪れた大沢は、操と再会。倉田を死なせた自分を責めるのは止めて、漕艇部に復帰するように懇願されるが…。
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